Nychair X rocking

1970年に発表され、半世紀以上もの間国内のみならず世界で人気を誇る「ニーチェア Ny Chair」。

デザインを手掛けたのは終戦を機に木工の道へ進んだ徳島県出身のデザイナーの"新居猛"氏。

同氏は椅子づくりの信念として、座りやすく丈夫な椅子を低コストで作ることを目指しました。

今回はそんな同氏が試行錯誤の末に完成させた「ニーチェアX Ny Chair X」のご紹介です。

寄り添うくつろぎのかたち

新居氏の苗字と"新しい"を意味するNy=ニュイにかけて命名されたニーチェア。

一見すると簡素な折り畳みイスのようにも見えるこちらですが、シンプルな造りゆえに目立ちやすい上、掛け心地にも直結することからパイプやアームの造形には一切の妥協が無く、その製造を一貫して国内の生産ラインが担っています。

シートや肘掛けの高さ、背もたれの角度など全ての人が無理なく自然な状態で寛げるようにデザインされた計算が光る設計。

実際に座ると適度に座面の生地が沈み込み、ハイバックのため背もたれが後頭部まで心地良く包みこんでくれることで自然とリラックスした姿勢に導いてくれる造りです。

至ってシンプルな構造により、肘掛け部分を持つだけで素早く折り畳み、組み立てが可能なほか、軽量なので屋内外での持ち運びも簡単に行なえます。

折り畳めば幅は約15cm程になり、折り畳んだ状態でも自立させられるためちょっとした隙間やお部屋の隅など、省スペースに収納することが可能です。

ニーチェアの背座に張られた布地には岡山県倉敷市の丸進工業が製造する倉敷帆布が用いられており、確かな耐久性を持ちながらも柔らかさと温かみのある手触りを実現。

さらには布の織り方にも着目し、デニム生地にも似た綾織りや起毛の加工、撥水処理など長く使うための工程を惜しみなく踏んでいます。

今回入荷したニーチェアXはロッキング仕様。

通常の脚とは異なりゆらゆらと揺れ、座る人それぞれの体格や姿勢に応じてお好みの角度で座ることができるようになっています。

そのため、ゆったりとした姿勢でくつろぐのはもちろん、身体を起してテレビや映画を鑑賞するなど、幅広いシチュエーションに寄り添ってくれますね。

パーソナルチェアの上質な掛け心地とコンパクトなサイズ感を兼ね備えた「ニーチェアX NyChair X」。

リビングや書斎などのお部屋はもちろん、お一人暮らしの方など幅広いお部屋にマッチしながら洗練されたくつろぎの空間を演出してくれます。

同氏が語った「多くの人から愛されるカレーライスのような椅子づくり」の通り、シンプルなデザインと確かな機能性で幅広いインテリアのスタイリングに馴染む逸品です。