NY chair X
春です。暖かな気温と春風に吹かれてやってくる花粉が春の訪れを知らせてくれます。こうも心地いい気候だと野外でフォークソングを肴にビールを浴びたい気分になります。
この夢見心地を更に上質なものにしてくれるピースはやはり椅子。野外で心地よく、そしてかっこよく座れる、そんな椅子があればよいものです。
~ 道具のように。 ~
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そんなときにやってきた一脚。屋内外問わず使用できそうな独特の美しい佇まいをしています。
こちらは、日本のインテリアデザイナー、新居猛氏により手掛けられた。『ニーチェア エックス NY chair X』。
「座り心地を落とさず、とにかく安く、道具のように役に立ってこそ椅子」という信念のもと、「多くの人から愛されるカレーライスのような椅子づくり」を目指した同氏の想いを体現したのがこのニーチェアです。

このフォルムの起源は映画監督が座るディレクターズチェア。軽く持ち運びしやすいディレクターズチェアとアウトドアチェアの特性が非常によく似ていました。
ディレクターズチェアのフォルムの名残は残しつつ、屋内外問わず使用できるよう設計され、安楽性を考慮した座面の傾斜などを緻密に計算の上、現在の形が完成しました。

ニーチェアエックスは素材の選択が非常に絶妙。
肘掛の天然木のビーチ材と綿素材のシート、ステンレスフレームの組み合わせ。木の温もりやファブリックはインテリア性を、金属やフォールディング仕様はアウトドア性を想像させます。
そして、それらを取りまとめるシンプルで独創的なフォルム。
ニーチェアエックスの人気はこの異素材・フォルム全てが完璧に融合したデザイン性の高さにあると言っても過言ではありません。

シンプルに構成されたニーチェアエックスはそれゆえに高いものづくりの技術が求められます。
人間工学や住環境を考慮し計算されたシートや肘かけの高さ、背もたれの角度や生地の特性。
体を預けても確り安定するよう計算された設計は、場所を取らないミニマムデザインながら、包み込まれるような座り心地を実現しています。

肘かけやパイプの曲げ加工などの工程は、「座り心地を落とさず、とにかく安く、道具のように役立ってこそ椅子」という新居 猛の信念を受け継ぎ、 一貫して国内での生産を続けています。
さらに、シート部分の布地には明治時代から続く工場で生産された国産の一級帆布を使用。
特別に織り上げた丈夫な生地で、職人の手により丁寧に縫製された着脱可能なシートは、全身の体重と椅子の構造を無理なく支えています。

折りたたみ可能で重さ約6.5kgと軽量、そして自立可能 。持ち運びやすいキャンプやアウトドアシーンで嬉しい造りです。
さらに折りたたんだ際の厚みは約15cm程。狭いスペースにも収納が容易で使わない時の置き場に困らないのも◎です。
くつろぎの座り心地を叶える設計と素材から加工までを国産で拘った信念に加え、使いやすさを考慮したデザイン。
1970年から現在に至るまでインテリア・アウトドアの両ファンを虜にした理由は言うまでもありません。

余談ですが、”Nychair”の名付け親は、実は監修をおこなった島崎信氏。北欧のデザインや考え方を日本に広めてきた第一人者と言われている建築家兼デザイナーです。
同氏は、「よい椅子の条件として、1.座りやすいこと。2.丈夫なこと。3.軽いこと。4.価格が妥当なこと。5.フォルムが美しいこと。さらに、折りたたんだときの美しさや安定感があること。」と独自の基準を持っていました。
その基準と照らし合わせて「ニーチェアエックスはこの6つの条件をすべて兼ね備えた椅子」と絶賛したそうです。
確かなデザインと造りで、著名な方、更には世界に認められたニーチェアエックス。今後も海を越えて多くの方に愛され続けることでしょう。
