NISSO HI-MOLD
Plywood Stool
柳宗理をはじめ剣持勇や長大作、水之江忠臣など多くのデザイナーによって作り上げられた戦後日本のモダンデザイン。
「用の美」で説かれたように、機能が形を成し広く親しまれることを目指したデザインは現代においても高い人気を誇り、"ジャパニーズモダン"や"ジャパニーズミッドセンチュリー"として語り継がれてきました。
今回はそんなジャパニーズモダンデザインの息吹を感じさせるレトロな一脚が入荷いたしました。
用の美が埋める最後の1ピース
こちらは個性的なデザインで定評のある「ニッソーハイモールド Nisso Hi-Mold」から1970~80年代に作られたと思しきスタッキングスツール。
同社は既に廃業してしまっており詳しい情報は残っていないものの、カブトチェアを思わせるデスクチェアをはじめ、当時のモダンデザインを踏襲したアイテムで現在も人気を集めるメーカーの一つです。
そんな同社のスタッキングスツール。
剣持勇がデザインしたことで知られる"No.202"を彷彿とさせるシルエットながら、なめらかなプラウッドの造形やゴールドに彩られたレッグ、クッションを設けた座面など独自のスタイルを盛り込んだ一脚です。
現代では希少となったチーク材のプライウッドを用いた座面。
曲線的なシルエットが美しいのはもちろんのことながら、左右の脚にフィットした造りに加えて四隅をへこませることでスタッキングを可能としており、洗練されたデザインと機能美を併せ持ったスタイルに仕上げられています。
脚にはゴールドの塗装が施され、スリムな造形も相まって上品な印象に。
加えて経年により深みを増したチーク材と脚のコントラストも美しく、素材からもミッドセンチュリーモダンらしさを感じられるデザインです。
座面クッションのファブリックは後年に張り替えられており、ブルーに白と黒、グリーンの水玉模様が重なり合うように描かれたデザイン。
シックな落ち着きを保ちつつもポップで鮮やかな色使いによりモダンなスタイルとなっており、ファブリックの張替えによってより北欧モダンの風合いを増した一脚です。
軽やかで曲線的かつ機能美が光るデザインの「ニッソーハイモールド Nisso Hi-Mold」スタッキングスツール。
コンパクトかつシンプルなデザインに造形と機能性を両立した姿はまさに「用の美」を実践した造りの逸品です。
一脚でも充分にその美しさを堪能できるスツールですが、今回は2脚まとめての入荷。綿密な計算によって生み出されたスタッキングをぜひご自宅でお楽しみください。