DAUM NANCY
Table Light
フランスで生まれ、1890年から1910年にかけてヨーロッパ全体で人気を博した芸術運動、アールヌーヴォー(Art Nouveau)。
英語では「new art(新しい芸術)」と呼ばれ、花や草木などの自然の有機的なモチーフと曲線を組み合わせた高い装飾性と鉄やガラスといった新素材を取り入れた豊かな表現方法が特徴です。
と、言葉で説明するとなんだか難しいですね。
歴史をまとう灯り
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絵画や彫刻のみならず、建築、グラフィックアート、インテリア、アクセサリーや食器に至るまで、幅広い分野に影響を与えたアールヌーヴォー。
日本では、意外にも身近な東京駅でその様式を実際に見ることができます(もし次に利用する時があったら、天井や床などにぜひ注目してみてください)。

それから、この照明もまたアールヌーヴォー様式がふんだんに散りばめられた逸品。
「芸術性を取り戻す」という理念をそのすべてから感じさせる上品かつ個性的な雰囲気を醸し出すテーブルライトです。

1878年、多くの芸術家や陶工が生まれた芸術の街フランス・ナンシーでドーム兄弟によって設立されたガラス工芸ブランド、DAUM NANCY(ドームナンシー)。
同じくガラス工芸家として名を馳せるエミール・ガレと並び、ナンシーという故郷を愛しナンシーの発展のために数多くの作品を残しました。

植物の茎のように優美なラインを描くフレームライン。葉っぱのようなフォルムの真鍮ベース。そしてマーブル模様の妖艶な魅力を放つガラスシェード。
繊細に写実に描かれた百合の花が何よりもエレガントで、工芸も芸術のひとつであるということをひしと感じさせます。

ただこのランプはあくまでも工芸品。観賞するためだけの美術品とは異なり、調度品として日常で使うことを前提に作られています。
ライトの角度調整や中間スイッチなど、細かなパーツもまた味わい深く佇まいの美しさを邪魔することがありません。

芸術はライフスタイルという哲学を体現する、アールヌーヴォーのテーブルライト。
実はこの美しさの中には、戦時下で知った自国の領土の一部を失う悲しみをフランスとナンシーへの愛国心に変えたドーム兄弟の思いも込められているようです。
装飾を楽しみながら実用する。まるで歴史を伝えるかのように、優しく静かに美しい光を灯します。
