DWARF MEISTER MS2 BENCH

朝方の空気が冷たく、風邪をひくまいと準備をしていったら日差しはポカポカ。 嬉しい反面ちょっと動いただけで汗が出る始末。季節の変わり目のあるあるですね。 冬の訪れを感じながら、快適な過ごし方の環境が整えば最後の一押しが欲しいところ。 ちょっと大きめサイズではありますが、それに見合ったスペシャルなアイテムが今回のご紹介。 宜しければ、是非最後までお付き合い下さいませ。

飛び込みたくなるサイズ

>>この商品の詳細を確認する 今回は、ソファベンチ。 恵比寿に店舗を構え、ビンテージからオリジナルブランドまで良質なモダンデザインのアイテムを取り揃えているドワーフ｜DWARF。 その中でも定番の人気を誇る、MS（マイスター）シリーズの1台です。 ちなみに、MSシリーズにおけるソファの展開は大きく3種類。 それぞれに違いがあり、どれにしようか迷う嬉しさがあります。 全体的にアメリカンミッドセンチュリーのエッセンスがアイテムから感じられるのですがその中でも比較的早い時期のクラシックな面影を残すMS1。 連なるシートのボタンや実は深めな傾斜が、快適な座り心地を見た目にも想像させてくれます。 ジョージ・ネルソンのモジュラーシーティングの影響を匂わせるMS3。 シート幅は60センチで区切られ規則的な美しさが楽しめます。視線から構造を隠すような脚部や、クリアな樹脂グライズなど細かなディティールがミニマルな佇まいです。 そして今回のMS2。 その特徴はなんと言ってもプライウッド（成形合板）とスチールロッドという素材の組み合わせ。 話は少しそれますが、良質な木材を熟練の職人が加工する事で生まれる美しい家具が主だった戦前。 1920年代あたりからル・コルビジェらをはじめとした建築家・教育機関のムーブメントによってコンクリートやスチールといったものが家具にも応用されてきましたが、新しい技術という事もありその爆発的な広がりは世界大戦の終結を待つことになります。 世界的なデザイナーのイームズ夫妻が戦時中に取り組んだ、骨折した兵士のための添え木。「プライウッド」の軽量な添え木はLCWやCTWからラウンジチェアと、家具の種類を問わず革新的なデザインを可能に。 同じく「スチールロッド」もLTR、エリプティカルテーブル、ストレージユニット、そしてミッドセンチュリーデザインのアイコンでもあるシェルチェアの美しい脚部を彩っています。 そう、「プライウッド × スチールロッド」はアメリカンミッドセンチュリーを代表する組み合わせなのです。 改めてソファベンチを見てみましょう。 たっぷりの座面を支える台座には船や飛行機の骨組みを思わせる4本のフィンが縦に付けられています。 板を張り合わせたことによる綺麗な縞模様が見えていますが、単板1枚の幅は約2.5～3ミリ。かなり厚い素材が使用されています。 フィンにはロッドを受け止める切り欠きが付けられ、より確かな安定感に繋がっています。 かたやスチールロッドはというと、約1.3センチと体重を受け止めるに足る太さ。ですがスタイリッシュさを損なわない絶妙なバランスです。 踏ん張りの効くハの字型、ハの字のぐらつきを防ぐ両サイドのコの字、真下への荷重に対応した真ん中の台形とその用途も様々。 改めて見るとロッドが一筆書きのように、出来る限り切れ目の無いよう工夫されている事が分かります。 溶接によってがっしりと取り付けられており、その建築的な美しさを安心して楽しめるのは流石の一言。 そして最後は飛び込んでみたくなるようなひろーい座面。ビビッドなレッドカラーの本革シートは背中から倒れ込んでも背もたれにあたる事はありません。 シート幅は180センチ。それを超える高身長（羨ましいです）の方でなければ、靴を脱いで寝そべる事が出来ます。 型崩れしにくい高密度のウレタンフォームが仕込まれているため、座り心地はとてもしっかり。 沈み込む柔らかさではなく、寝返りを打ちながらゴロゴロしたい。もしくはシェアハウスやホテルのロビーのようにフォーマルな感じをお部屋で表現したい方にオススメです。 このソファは目黒通りにあった名店 マイスターの人気アイテム。2015年に惜しまれつつも閉店の運びとなった際、長年店長を務めたドワーフ店主がこれらのアイテムを引き継いだそうです。 時代を切り拓いたミッドセンチュリーデザインが縁で繋がったMSシリーズ。さらにフラットな座面の3シーターは通常の仕様に無い特注品です。 リユースという1点物ではまず巡り合えないカッコイイソファベンチ。どうぞこの機会をお見逃しなく。