THONET

S64 V  Arm Chair Vintage

本日は、惜しくも即SOLDとなってしまったアイテムの中から「トーネット THONET S64 V アームチェア」をご紹介させて頂きます。

こちらのチェアを正規で製造しているのは、モダン家具の名門 " ノル Knoll " 社と、世界の家具ブランドの中では最も古い歴史を持つ事で知られる " トーネット THONET " 社のみ。

オリジナル且つビンテージのアイテムは数が少なく、是非この機会にご覧になって頂きたい一脚です。

モダニズムの巨匠 "マルセルブロイヤー"の意匠が宿る希少な一脚。

マルセルブロイヤーと言えば、ミッドセンチュリーにおける屈指の名作 " ワシリーチェア " の産みの親であり、数々の建築と家具デザインで世界的に活躍した巨匠デザイナー。

氏は現代のデザイン界に根底的な影響を及ぼした事で知られる "バウハウス Bauhaus "の第一期生として学び、その思想とスタイルを世界に発信した第一人者としても非常に有名です。

こちら「S64 V」はブロイヤー氏が1928年にデザインを手掛けた一脚。

当時は建築や橋の設計のみに使われていた"カンチレバー"方式をチェアに採用する事で、 無駄なく豊かな機能性が与えられた革新的デザインとなっており、その後のチェアのスタンダードとして瞬く間に世界に広まった事から "最も有名な金属製チェア" として知られています。

カンチレバーは日本語で"片持ち梁"と呼ばれるもので、片方のみの支えによって成り立つ構造、素材の特性を活かした柔軟なサスペンション性が特徴です。

脚部フレームが1本のスチールパイプで一筆書されたかのように造形された姿は大変シンプルで洗練されており、そんな中にもスチール・木材・ラタンという複数の素材が用いられる事で、それぞれの特性がそのままチェアの快適性として現れています。

そのディティールは、見れば見る程に巧みで合理的な組み合わせ。

ラタンはルックス的にも軽やな印象ですが、絶妙な張りのあるテンション感が座り心地に奥行きを与えており、機能性を重視するバウハウスならではのデザイン観がひしひしと伝わってきます。

歴史あるトーネット社による製造であるという点も、このチェアならではの魅力的なポイントではないでしょうか。

トーネット社は1819年に創業し、実に200年以上も家具を作ってきた由緒ある名門ブランド。

20世紀より世界屈指の曲げ木技術で知られており、そのノウハウがこの「S64 V アームチェア」のスチールフレーム部の製作にも活かされたと言われています。

個人的には、アームやシートフレームに使用されている木材の質感がとても好きで、トーネット社特有の雰囲気があるようにも感じられるのですが、ノル社が製造した方もいつか是非見てみたいですね。

imptionでも滅多に見られないこちらの一脚、如何でしたでしょうか。

今回のようにすぐに売れていってしまう人気アイテムも御座いますが、お蔭様で本日も店頭にて多くのデザイナーズアイテムを展示販売しております。

気になる家具に実際に触れたり、椅子等もご希望があれば試しに座ってみたりもできますので、お近くにいらした際には是非お立ち寄り頂き、スタッフまでお声をお掛けくださいませ。