THONET
CM190 Lounge chair
世界最古のファニチャーカンパニーであり、モダンデザインの草分け的存在である" トーネット社 / THONET "。
ベントウッドチェアのような曲木技術を生かした製品が有名ですが、今回入荷したものはそのイメージとはまた異なる印象を覚える名作です。
追求された機能美

デザイナー、Pierre Paulin(ピエール・ポラン)。 60年代から70年代のフランスを代表する名デザイナーとして知られています。
今回ご紹介させて頂くのは同氏の手掛けた代表的なプロダクト『CM190』です。

独創的で流麗な作品が多い同氏。
リボンチェアにタンチェア、オレンジスライスにマッシュルーム、パンプキンなど有機的なフォルムの作品の数々が思い浮かびます。
が、今回のお品物はご覧の通り良い意味でシンプル。
機能性を追及した美しいフォルムながら、何処か愛嬌を感じる佇まいです。
ただ見た目が特徴的なものを作っているのではなく、それにふさわしいデザインを選び抜いていることが分かりますね。


ふっくらとした座と背もたれは、視覚的にも実際の座り心地としても温もりを感じられます。
一方で、それを支える細身のスチールフレームが全体の印象を引き締め、重厚になりすぎず、軽やかな印象です。
しっかりとしたクッションの柔らかさと、ブラックスチールフレームの軽快さが絶妙に融合しています。

CM190は、低重心のラウンジタイプで、安定感をしっかり確保しています。
座と背のカーブは、自然に体のラインにフィットし、長時間座っても疲れにくい仕様。
ゆったりと身体を預けることができるため、読書や休憩のひとときにぴったりの一脚です。
この「使う人の身体にやさしいデザイン」こそ、ピエール・ポランが一貫して追求した哲学の表れです。


背もたれは広く設計されており、ただ背を預けるだけでなく、時には肘を乗せてデスクワークに対応することも可能。
リラックスにもアクティブな作業にもフィットする柔軟性は、まさに機能美そのもの。
また、視覚的にも空間に圧迫感を与えず、どんなインテリアにも溶け込む普遍的な美しさがあります。

1950年代から60年代にかけて、フランス国内の大学や公共施設、ホテルなどで数多く採用されてきました。
その理由は、使い勝手の良さと洗練されたデザイン性にあるのだなとこのブログを書いている最中に思いました。
「形態は機能に従う」という理念を持つバウハウスの影響を感じられる、トーネットとポランだからこそ作り得た一脚。
公共空間でも映える端正な佇まいと、万人に心地よさを提供できる設計は、時代を超えて評価され続けています。











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