Turkmen & Berber
Handwoven Vintage Rug
エスニックジュエリーやインテリアの世界に足を踏み入れたきっかけは、ネイティブアメリカンのインディアンジュエリー。
最近はインドのラリーキルトやアフリカのクバクロス、韓国のポシャギまでテキスタイルが気になっています。
日本ではアイヌや琉球民族などの織物もとっても素敵ですよね?
それぞれの国でそれぞれの民族が独自に作り上げ伝統を守り続けている工芸品は、ユニークで味があって奥深い。
本日は最近インプションでも入荷が増えてきている「ラグ」のご紹介です。
手仕事の魅力
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イラン北東部のトルコ系の遊牧民、トルクメン族の手織りラグ。
トルクメン族はトルクメニスタンを中心にウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、イラン、イラク、アフガニスタンなどの色々な場所で居住しています。
昔は遊牧民として生活していましたが、20世紀には定住生活が急速に広まり、今では近代的な生活をする市民が殆どなんだとか。
生活は変われど、昔から今も変わらず自分達のオリジン・ルーツに強いこだわりを持ち、独自の部族文化を保ち続けています。
同じトルクメンの中でも複数の部族に分かれ、それぞれ独特の「ギュル」と呼ばれる紋章を持っているのがそう言われる所以の一つでしょう。
主要部族のギュルはトルクメニスタンの国旗にも描かれるそうです。

その他に古くから絨毯づくりを行う彼らは、部族の証としてラグにも大きくギュル紋様を取り入れているのです。
ラグのデザインは、そんなギュルを反復させた構成に、天然の茜染料で染められた深い赤色や茶色を中心とした色彩が特徴的。
今回のラグの紋様はよく使われる代表的なものとは違うようなのですが、数十もの種類があると言われる中の一つではないかと推測されます。
毛足のあるラグの厚みを生み出しているのは、パイル織りと言って縦糸と横糸のほかにパイル糸を同時に織り込み、表面にパイル(毛足)を出した製法のこと。
平織りのキリムに比べて厚みがしっかりあり、踏み心地も柔らかなところが魅力です。

中央アジアの草原をテリトリーに移動生活を営んできた彼らの住居は「オイ」と呼ばれるテント。
入り口やメインの居住空間、空間を分ける仕切りなど、至るところでラグが多用され、生活には欠かせない道具となっています。
巻いたり折り畳んだり、持ち運ぶことを考えたサイズ感であるところも特徴です。
こちらは、約W180×D111cmの縦長サイズ。現代の私たちの生活においてはリビングはもちろん、キッチンや廊下などのスペースにも合わせられます。

フォークアートが並ぶ空間にはまず間違いありませんが、時にはその大胆な色使いを活かしてミニマルなモダン空間にも。
モノトーンの家具の中に真っ赤のラグといった、また違った雰囲気のインパクトあるコーディネートが生まれそうです。
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続いては、モロッコ南部 アトラス山脈を超えたワルザザード近郊にある、ベルベル族の村タズナフトの手織りラグ。
モロッコの手織りラグといえばベニワレンを思い浮かべる方が殆どだと思いますが、実はベニワレンも同じベルベル族によって作られています。
またベルベル族は少数民族なのかと思いきや、モロッコの人口の過半数を占めた歴史の古い先住民だったことが分かりました。
絨毯づくりを行っているのは、そんなベルベル人の女性たち。家事や農作業の合間に手作りの刺繍や織物などを製作しています。
元々モロッカンラグはトライバルラグのような民族的なもので、カラフルな色や柄のデザインが主流でしたが、最近はヨーロッパでの流行をきっかけに現代の暮らしに馴染むモダンなデザインやシックなトーンへと様相が変わってきているようです。

対して今回のタズナフトラグは1980年代に製作されたと思われるビンテージものですので、元々のスタイルがしっかり現れたデザインとなっています。
平織とパイル織りをミックスさせた立体感のある代表的な製法とは異なり、全てパイル織りの毛足の長い珍しいタイプ。
キリムの柄に用いられる幾何学模様を思わせる、中央のシンメトリーなデザインが目を惹かれます。
男性人気の高いペンデルトンなどのネイティブ柄のようなカッコ良さもありつつ、ブラウンやベージュなどのナチュラルな色彩により優しい印象に。
ちなみにブラウンや黄色みのある色に、パエリアなどで使用されるサフロンを使った染料で染めていると述べている記事もあったので、これももしかしたらそうかも・・・工夫を凝らした製作工程も気になるところですね。

トルクメンラグの深い赤に比べて柔らかなトーンでまとまっていますので、より幅広いテイストと合わせられそうなのがタズナフト。
イームズのシェルチェアともよくマッチしていると思いませんか?

かなり気合の入った長尺のブログとなりましたが・・・皆さんいかがでしたか?
今回ご紹介したラグはラグの中でも割とマイナーな枠でしたが、少しでも魅力が伝わっていたら嬉しいです。
ペルシャ絨毯など敷居の高い高価なものとして認識していた方も多いと思います。
最近は以前よりもカフェや古着屋さんなどで見かけることや、ご自宅に取り入れている方も増え、様々な場面で目にし身近に感じるようになってきました。
壁にポスターを掛けるアートを楽しむ感覚で、ラグも目で見て手に触れて楽しんで頂きたいです。
最後まで読んで下さった方々ありがとうございました。
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