Tom Dixon

Jack Floor

本日は世界的にその名を知られるイギリスのプロダクトデザイナー "トムディクソン" が1994年にデザインを手掛けた名作照明「 Jack Floor」のご紹介です。

プロダクトデザイン史にとっても価値ある逸品となっておりますので、是非ご覧になっていってください。

世界的デザイナー"トムディクソン"が初期に手掛けた貴重な照明作品。

今や名実ともに世界一流のデザイナーとして活躍し、現代のデザインシーンにおいて最も影響力を持つ人物の一人に数えられる"トムディクソン"ですが、こちら「 Jack Floor」は同氏が2002年からスタートしたブランド"Tom Dixon"よりも以前に作られた最初期の照明作品となっています。

私が物心ついた頃で記憶があるのは、既に2000年代に入ってからですが、当時お洒落なアイテムというのはまだ身近にはなく、しかしその当時を思い出すほどに、この作品が持つアイコニックで鮮烈な存在が浮き彫りになるような感覚になるのは私だけではないはずです。

実際Jack Natural Floorは当初より世界的な注目を集めており、現在も各国の美術館の展示に加わる銘品に。

市場としても品薄が続く人気アイテムで、プロダクトデザインの名手トムディクソンはこの時から既に、多くのコレクターやインテリアコーディネーターを虜にしていた事が伺えます。

なんと言っても印象に残るのは、テトラポットからイマジネーションされたというその絶妙なカタチ。

絶妙な丸みがあって、一緒に過ごす時間が長い程に愛着が沸く佇まいです。

幅と奥行きがそれぞれ60cm前後ありオブジェのように据え置けるサイズなのですが、実はそのまま座ってみたり、天板を乗せてテーブルとしても使う事ができ、様々な可能性が表現されたアイテムとなっています。

（※ちょうど用賀店にマシンエイジのラウンドテーブルがありましたので、ガラス天板を拝借してきました。ご参考まで。）

本来何をどうやっても動かせないような巨大で重いテトラポットですが、思えばそんなテトラポットに座りながらサンドイッチを食べたこともありました。

Jack Floorはあくまでも照明作品で「テーブル」「スツール」といったワードはタイトルに無いのですが、"テーブルや椅子として丁度良さそうなものがある"と、じわりと思わせてくれるその存在感はまさにテトラポットと言えるでしょう。

そんなテトラポットが持つ様々な一面を投影させながら人が手軽に扱えるアイテムとして落とし込んだ作風はある種の"リデザイン"とも言える完成度で、実に多彩で多角的な一面を持つアイテムです。

複数の照明を積み上げていく事も可能で、なんともユーモアの効いたインテリアコーデを叶えてくれる点も魅力的。

全体が均一に灯る姿はまるでバルーンアートのようで、小さな頃大好きだった金平糖のようでもあり、見ていて心地よく、純粋に欲しい！と思ってしまいます。

何より暮らしの中に実際に取り入れた時に、「そこにテトラポットあるけど座る？」「テトラポット灯けとく？」という会話が聞こえてきそうで、これがイギリス流のユーモアなのでしょうか？

照明作品という一般的な概念からは思いつかないようなスタイルで、当時どれほどセンセーショナルなことであったのかは想像に難くなく、しかし非常にナイスなデザインだと思います。

その製造は並々ならぬ拘りと挑戦を以てして行われており、これもトムディクソンならではの特筆すべき点と言えるでしょう。

5つのパーツから構成される複雑なフォルムを「空気回転製法」で形造る、手間暇の掛かる工程。

これらは熟練の業を必要とする為に大量生産には向きませんが、照明として均一で美しい明かりを灯し、座っても大丈夫なほどに確りとした作りです。

トムディクソンが初めてプラスチックに触れた作品としても知られるJack Floorですが、 "素材を活かす為に手間暇をかける" というプロセスからは、今も昔も変わらぬトムディクソンならではの姿勢、世界的なラグジュアリーアイテムとしての品質の高さを伺うことができます。

パッションに満ちたオレンジカラーはポリプロピレンならではの発色の良さで、ホームユースから店舗用インテリアとしても空間映えし、インテリアコーデに唯一無二のアクセントを与えてくれることでしょう。

一点のみの入荷となっておりますので、お探しの方は是非この機会に、トムディクソンの名作照明をご検討くださいませ。