Dal Vera
Les Arcs Chair
フランスの建築家 シャルロットぺリアン。若干24歳にしてかの ピエールジャンヌレや ルコルビュジェとの協働をスタート。家具デザインを通じ、当時の人々の心の中に現在まで繋がる新しい美的感覚を芽生えさせた偉大なデザイナーです。
フランスのリゾート地から
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2011年には鎌倉から始まり、日本中を巡回する展覧会「シャルロットぺリアンと日本」も開催され、日本でも人気の高い彼女。
今回はそんな彼女がセレクトした事で知られる椅子『レザルクチェア』の紹介です。
1967年から1988年まで続いたプロジェクトにより建設された一般向けのスキーリゾート「レザルク」。この一大プロジェクトのまとめ役に選ばれたのがシャルロットぺリアンであり、彼女はこの施設の駅用の椅子として、今は無きイタリアの"ダルヴェラ Dal Vela"よりこの椅子をセレクトしました。
セレクト…?そう、セレクトであってシャルロットぺリアンのデザインでは無いのです。
それではこのチェアのデザイナーは誰なのかと言うと、実は現在に至るまで不明なままという事です。
しかしどうでしょうこのデザイン。しなやかにカーブするスチールパイプに、リベットにより吊り下げる形で取り付けられた革のシート。無骨な素材を使いながらも上品さを感じさせる佇まい。1脚で他を圧倒する存在感を放ち、デザイナーが有名でないのが不思議で仕方ありません。
現在ではリプロダクト品も生産される本チェアですが、今回入荷してくれたのは正真正銘オリジナルのビンテージ。ビンテージとはひとことに言っても、多く見られるものと比べるとリベットや革のベルトの数・位置が異なり、大変貴重な初期モデルと思われるものです。
適度に錆の乗ったスチールパイプ、より深みを増したコニャックカラーのレザー。この経年による渋さは現行品には決して出せません。このチェアも実際に駅で使用されていたのでしょうか。もしそうなら、どのような道のりを辿って、フランスのリゾート地からここまでやって来てくれたのでしょうか。
恥ずかしながら初めてシャルロットぺリアンの写真を見たのですが、彼女とってもチャーミング。若い時もおばあちゃんになってからもです。あんなにも無邪気な笑顔を浮かべる彼女が、時代に名を残す超凄腕のデザイナーであったという事実にはなかなかグッと来るものがあります。このチェアも釣られてもっと素敵に見えてきました。
なかなか見る事のない初期のビンテージ『レザルクチェア』。お探しだった方は是非この機会にいかがでしょうか?