Knoll Studio
Breuer Collection
CESCA CHAIR
今一番欲しい椅子と聞かれたら、真っ先に思い付くプロダクト。
それが今回ご紹介するのは、"マルセル・ブロイヤー Marcel Breuer"によって生み出された「Cesca Chair(チェスカ チェア)」。
1928年に発表され、自転車の構造にヒントを得て生み出されたカンチレバー構造の椅子。娘の名前から名付けられた名作チェアとして知られています。
バウハウスのデザイン思想を体現した工業デザインの代表作
1919年にドイツのワイマールに設立された造形学校「バウハウス」。芸術と建築、工芸、デザインなどを総合的に教育し、機能性と合理性を重視したモダニズムデザインの基礎を築きました。1933年にナチスによって閉校されましたが、その理念は世界中のデザインに影響を与え続け、モダンデザインの源流として知られる学校です。
マルセル・ブロイヤーは、そのバウハウスの1期生として学んだのち、バウハウスの教官となり、1937年にはアメリカに移住してハーバード大学において教鞭をとった経歴を持ちます。このCesca Chairは、マルセル・ブロイヤーがバウハウスの教官を務めていた頃にデザインされたプロダクトとなっています。
片持ち式の椅子(カンチレバー構造)であり、1本のスチールパイプで作られている基本構造で、背もたれと座面には籐張りが使われています。伝統的な職人芸・工業的な手法や素材を組み合わせている点が特徴。
腰を下ろした際に感じられる、1本の屈強なスチールパイプの適度な弾力性によって、快適な座り心地を実現しているのも魅力のひとつです。
そして個人的にはこのフォルム。動物的には鹿の美しい曲線美と脚部のしなやかな弾力性の様なものを感じられ堪らなく好きなんです(笑)
歴史的にもプロダクトとしても魅力タップリの一脚。1928年に誕生して以来、現在まで、色褪せることなく愛されているそのデザインは、20世紀のモダンデザインの歴史を飾っています。きっと貴方の生活をより良いものにしてくれる。そんな椅子だと思います。