松本民芸家具
77型曲肘ラッシ椅子
昔々、信濃守護・小笠原貞朝の名により、全国各地から熟練の匠が集まり、長野県は松本市のシンボルである「松本城」が建築されました。
匠たちはそのままその土地に住みつき、城下町へと形を変えていったそうな。。。
そして、時は流れ戦後。
柳宗悦の唱えた“民藝運動”による、活発な工芸制作の歴史が始まります。
松本も、また然り。
長野県松本市で1944年に誕生した超老舗の家具メーカーの『松本民芸家具』。
機能性と見た目の美しさが共存した「用の美」の理念を受け継いだ最高級の民芸家具は、国内の民芸家具メーカーの中でもトップクラスの人気を誇ります。
本日は、数ある松本民芸家具の製品の中でも異質な雰囲気を醸す一脚。
その名も「77型曲肘ラッシ椅子」。
民芸家具と言えば、直線的なデザインで、どっしりとした重厚感があるモノを思い浮かべるのですが、こちらのチェアは何だか柔らかい雰囲気が、、、。
それもそのはず、77型曲肘ラッシ椅子は北欧のチェアをモチーフにデザインされたものなんです!
北欧家具を彷彿とさせるフレームデザイン。
背もたれから優雅で滑らかな曲線を描きアームへと流れるライン。
どの角度から見てもデザインに動きがあり、ほんと見ていて飽きないデザインです。
そのフレームには、同社のこだわりの塗料を使用。
虎の紋様のような杢目が美しく力強さを活かし、長年使用して頂ければ、飴色で艶のある美しい家具へ蘇り、その経年変化も共に過ごす楽しみの一つになります。
座面には「ラッシ編み」という技法が使われ「フトイ(太藺)」というカヤツリグサ科の多年草を使用。
日本では採取する場所がなく、松本民芸家具が独自で栽培する国内では希少な植物が使われています。
一本一本が太く、しっかりと編み込まれている為、耐久力抜群。
座り心地はといいますと。がっちりとした感じ!
ラウンジチェアと言えばゆったりフカフカなものが多いですが、個人的にはこれくらいがっちりした座り心地の方が好きですね。
さて、「77型曲肘ラッシ椅子」はいかがだったでしょうか?
使ってこそ輝く「用の美」を追求した松本民芸家具。
庶民の生活にある実用性の尊びと、素朴な美しさを愛する「日本民芸運動」の確かな一品です!