Slagelse Mobelvaerk
Alfred Christensen No.370
デンマーク家具をデンマーク家具たらしめるものって何だろう。
魅力を伝える為に日常的に家具に触れていると、そんな風によく考えてしまいます。
今回は、デンマーク家具らしさ全開のアイテムを紹介させて頂きます。
デンマーク家具らしさ

こちらは、1960年代にデザインされた"No.370"。通称「ブーメランチェア」です。
デンマークのデザイナー"アルフレッド・クリステンセン Alfred Christensen"により手掛けらたこちらのチェア。
製造は同国の家具メーカー"スラゲル SLAGELSE Mobelfabrik"。アルフレッドの弟であるエリック・クリステンセンが経営を担当する兄弟タッグによるメーカーです。

このブーメランチェア最大の特長は、やはりそのフレームにあります。
背もたれから座面、脚部に掛けての「く」の字。このチェアのアイコンと言えるそのフォルムこそが、このアイテムをデンマーク家具たらしめています。
曲がる部分は太く、先端に掛けて細身がかった無垢材のフレーム。無垢材を使用した丈夫な造りですが、360度どこから見ても抜け感のある軽やかなシルエットになっています。

強度とユニークなデザインを両方実現させたブーメラン形。
そのフレームのフィンガージョイントに注目してみると、そこにもデンマークらしいクラフトマンシップが垣間見えます。
小さな波形のような断面が可愛らしいです。このチェア以外では見たことのない継ぎ目をしています。

さらに背もたれも緩やかなアールを形成。フレームからの滑らかな繋ぎも精巧に仕上がっており、チーク無垢材の削り出しによる贅沢な作りとなっています。
座枠を要しない、とにかく軽快な設計。後ろ脚の間を貫くフレームも単なる棒ではなく曲線的なシルエットになっています。

背もたれから座面へ繋がるブーメランと脚部を構成する曲線。真横からのシルエットは、2本のみで構成されたように投影されています。
ユニークなシルエットと高い実用性。
デンマークの厳しい寒さの中で生まれた室内での生活をより豊かにするためのデンマーク家具。そのらしさが全開となったデザインの一脚となっています。











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