Steve Harrison
Salt Glaze Mug
イギリス北東部の町ウォールセンドで1967年に生まれた陶芸家"スティーブ・ハリソン Steve Harrison"。
ロンドンの郊外に工房を構え一貫して一人で制作を行っており、陶芸作品としての美しさはもちろん機能性も兼ね備え"実用的なアート"ともいえる作品作りで人気を集めています。
くらしを彩る唯一無二のアート
窯で焼成する際に塩を吹き付けることで起きる釉薬との化学反応を利用した伝統的な手法「ソルトグレーズ」を用いた作品作りが特徴的な同氏。
軽量かつ薄手で使い心地に良いだけでなく、特有の繊細な模様や質感、色合いなど使う人のことまでしっかりと考えてデザインされた心遣いが随所に感じられるのも魅力の一つと言えます。
こちらはそんな同氏ならではの技法が用いられたマグカップ。
全体に塩と釉薬が高温下で起こした化学反応による精細な模様が広がっているほか、シルエットが歪みを取り入れた造形になっていることで素朴な風合いに仕上げられた一杯です。
今回入荷した2色の内グリーンは惜しくもSOLDとなってしまっているものの、こちらも併せてご紹介いたします。
飲み口にあしらわれた釉薬のデザインが特徴的なブラウンの一杯、把手までしっかりとソルトグレーズの模様に包まれ、クラシカルな風合いです。
また、模様の一つ一つが一周のうちに小さくなっていくことで視覚的な立体感を生み出しており、素朴な風合いながらアーティスティックなデザインを秘めたスタイルに仕上げられています。
グリーンはワンポイントのようにあしらわれた花の装飾が可愛らしいデザイン。
パターンはブラウンと比べるとやや均一なもののカップ本体や把手がブラウンとは左右対称の造形となっているなど、こだわりが感じられるつくりに仕上げられています。
今回入荷した2杯はそれぞれグリーンには2015年、ブラウンには2017年の年号が刻まれており、制作当時に同氏が熱中していたスタイルやモチーフをうかがい知ることができるのも面白いポイントです。
いずれもスタイリストの"ソニア・パーク Sonya Park"氏が手掛ける"アーツ&サイエンス ARTS&SCIENCE"にて行われた個展でのみ購入でき、中古市場でも出会うのは至難の逸品。
素朴かつアーティスティックなデザインに加え、希少なアイテムともなればブログ掲載前にグリーンがSOLDとなったのも頷けます。
伝統的な技法を用いながら造形や色使いなど、随所にスティーブ・ハリソンのこだわりが感じられるマグカップ。
技法の関係から二つとして同じものができないことから、オンリーワンなカップとして実用はもちろん、コレクションにもおすすめの一杯です。
素朴ながらその実用性とデザインでワンランク上のティータイムを演出してくれる希少な作品、この機会をぜひお見逃しなく。