Stanley Furniture
Night Table
ホワイトペイントの家具といえば、フランスやイギリスのアンティーク家具が思い浮かびます。
ところどころ剥がれたペンキに傷や汚れをまとったシャビー。もともとの甘めのデザインが程よく調和されて漂うシック。
でも今回の白い家具の第一印象はどちらでもありませんでした。
ノスタルジック・ホワイト
>>この商品の詳細を確認する
1924年、アメリカ生まれの家具メーカー、Stanley Furniture(スタンレーファニチャー)。
歴史が長いだけあって、クラシカル調からいわゆるUSミッドセンチュリーまで幅広いデザインのビンテージアイテムに出会うことができます。
このナイトテーブルは、おそらく1980年代に製造されたと思われる1台。
製造年だけで見ると少しミッドセンチュリーの時代からは外れますが、個人的にはけっこう「古き良き」を感じています。
一見シンプルな箱型でありながら、3つの大きさ違いのフレームを重ねたようなデザイン。そこで生まれた3本ラインに合わせるように、ラタンで描かれるストライプ。
特に抽斗の前面は直線と曲線をミックスすることで幾何学的な模様が浮かび上がり、なんだか芸術的。丸い把手とのバランスも絶妙です。
もしこの家具がナチュラルな木色だったら?きっと第一印象は「昭和レトロ」になっていたに違いありません。
この不思議なデザインをまとめる肝こそがホワイトペイント、だと思うんです。
真っ白ではなくややクリーミーな白(もしかすると経年の変化かもしれません)が見事にマッチして生み出されるノスタルジー。
レトロなのに日本のそれとは異なり、ホワイトペイントなのにフランスやイギリスのそれとは一線を画す、アメリカならではのペイント家具だといえます。
ちなみに、設立者のThomas Bahnson Stanley(トーマス・バーンソン・スタンレー)の叔父はなんと、Bassett Furniture(バセットファニチャー)の創設者。しかも、その叔父が成しえなかった州知事という夢を叶えた実力派。
ファニチャー一族としてたくさんの家具を作りながら、きっと多くの人の信頼を集め慕われてきたんだろうと思います。
なんてノスタルジックな白に魅せられると、その時代や歴史にも思いを馳せたくなるものです。
静かに佇むであろうこのナイトテーブルを傍らに、懐かしい気分に浸りながら夢の中へ誘われるのも悪くなさそうです。