Schou Andersen
No.42 HalfArm Chair
6月に入り、気温も上がって蒸し暑く感じる日が増えてきました。
関東も梅雨入りし、湿気やどんよりとした空模様に気分まで沈みがちな季節。自然と自宅で過ごす時間が増える方も多いのではないでしょうか。
そんなお家時間を少しでも豊かにしてくれる一脚として、今回は北欧ビンテージを代表する名作チェアをご紹介いたします。
読書や食事、デスクワークやちょっとした考え事の時間まで。日々の暮らしに静かに寄り添ってくれるダイニングチェアです。
北欧の造形美

1929年にデンマークで生まれた“Kai Kristiansen カイ・クリスチャンセン”。
18歳で家具製作の見習いを終えた後、1948年から1951年までコペンハーゲンのデンマーク王立芸術アカデミーにて、デンマークモダンデザインの父とも称されるコーア・クリントに師事しました。
その後、26歳という若さで自身のデザイン事務所を設立。革新的なフォルムと人間工学に基づく機能性を融合させた彼の作品は、今日でもデンマーク・ミッドセンチュリー家具を語る上で欠かせない存在となっています。


今回ご紹介するのは、デンマークの家具メーカー「Schou Andersen(スコウ・アンデルセン)」社によって製造された名作、“NO.42 ハーフアームチェア”。
同社はKai Kristiansenの代表作である「NV31」や「T21 Fire Chair」、「Compass Chair」なども手掛けた名門メーカーとして知られています。
1956年にKai KristiansenがSchou Andersen社のためにデザインしたこのチェアは、美しい造形と優れた機能性、その絶妙なバランスによって構成された傑作です。


背中を包み込むように湾曲した背もたれと、アームから自然に繋がる軽快なライン。
アームからすっと落ちる後ろ脚のシルエットは実に美しく、どの角度から見ても洗練された印象を与えてくれます。
特徴的な背もたれは、身体をしっかりと支えると同時にアームとしての役割も兼ね備えており、テーブルへの出入りや立ち座りの動作を妨げることなく快適な座り心地を実現しています。
さらに、このチェアには隠れた魅力があります。
可動式となった背もたれは、座る人の体重や姿勢に合わせて自然に角度が変化するリクライニング機構を搭載。快適性を追求したKai Kristiansenならではのアイデアが詰め込まれています。


ダイニングテーブルやデスクに収めた際には、後方へ伸びる脚部のラインがより際立ち、その美しいシルエットに思わず目を奪われます。
デザインの美しさは正面だけに留まりません。
「椅子に裏表があってはいけない。」
そんなHans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)の言葉を思い出させるような一脚です。
どの方向から見ても美しいこと。それは北欧家具に共通する美意識なのかもしれません。


“NO.42”は使用される木材や張地によって大きく印象を変えることでも知られています。
チーク、アフリカンチーク、オーク、ローズウッドなど、それぞれ異なる魅力を持ちながら、デザインの美しさを引き立てています。
今回入荷した個体は、温かみのあるチーク材を使用した一脚。
長い年月を経て深みを増した飴色の木肌と艶やかな木目は、繊細なチェアデザインと見事に調和し、落ち着いた上質な佇まいを生み出しています。

身体をやさしく支えるホールド感と軽快な使い心地。コンパクトで軽量な設計は、ダイニングチェアとしてはもちろん、デスクチェアやラウンジチェアとしても取り入れやすく、使う場所を選びません。
優れたデザインと上質な素材、その魅力を最大限に引き出す職人たちの高い技術力。
Kai Kristiansenの美学が凝縮された“NO.42 ハーフアームチェア”は、なぜ半世紀以上にわたり世界中で愛され続けているのかを実感させてくれる逸品です。











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