George Nakashima
CONOID CHAIR
ついに経堂店にも来てくれました。
かねてから憧れていたジョージナカシマの家具が。
まさに木の芸術と言っても過言ではないほどの存在感。大自然をそのまま切り取ってきたかのような木のぬくもりと静けさ。
どこから見ても完成されたデザイン美、樹木が自然の中で長い歳月をかけて形成した美しい杢目は木の息遣いが今にも聞こえてきそうです。
今日はそんなジョージナカシマの代表作”コノイドチェア”について少しお話させてください。
ジョージナカシマの家具の魅力。
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自然に対して畏敬と敬愛の念を抱き、木に第二の人生を与えるという哲学の元、木の持つ美しさ、呼吸を活かす家具づくりを徹底しているジョージナカシマ。
日本人ながらアメリカに生まれ、幼いころからボーイスカウトに所属し、豊かな自然に囲まれて育つ。学生時代には林学や建築学を学び、28歳の時には世界一周の旅にでて見聞を広めたそう。
その後世界各国の建築事務所を経験したのち、日系の大工との出会いから木工の知識を深めた同氏は後に家のガレージを工房にし、デザインから制作まで一貫した家具づくりを始めました。
自らをデザイナーではなく、木匠(ぼくしょう)と呼称するジョージナカシマ。
おそらくデザインするという概念より、木と向かい合い、木に秘められた美しさを家具という形に表現する。樹木に新しい生命を吹きこむといった概念の方が強かった為、そう呼称していたのではないでしょうか。
ジョージナカシマの家具作りを継承する工房は、世界にたったの2カ所だけ。娘であるミラ・ナカシマが守り続ける米国ペンシルヴェニア州ニューホープのアトリエとこの桜製作所。厳選した銘木を使用し、ジョージナカシマの手書きの設計図から丁寧に造り込まれる家具たちはもはや芸術作品の域に達っしていると言っても過言ではありません。
生涯を木と共に過ごした木匠が最も愛した木”ウォールナット材”は、奥行き感のある深みのある杢目と上品な木肌が楽しめる古くから高級木材として親しまれている木材の一種。
ナカシマが出版している『木のこころ』の中では、「あなたがその表面に見ている木目は、板の中まで通っているものの現れである。木目は表面にだけ固着しているのではない。無垢板は年と共に豊かに美しくなる」と語っています。そのように改めて杢目を見ると大自然の営みと力強さ、違った観点での杢目の美しさに気づかされますね。
細かなディティールや削り出しに至るまで、人の手が加えられてるのに、どこか自然そのもの、力強い生命力のようなものを感じてしまうのは私だけでしょうか。
おそらく、木と対話し、愚直にその木という一つの存在に対して、第二の人生を与えるという哲学の元、木の持つ美しさ、呼吸を活かすものづくりをしているからこそ生まれたものなのではないでしょうか。
樹木が自然の中で長い歳月をかけて形成した美しい杢目、大自然の存在感をそのまま生かしたジョージナカシマの作品。
是非直接見て触れて、腰をかけてほしい名作です。