JOHN DERIAN
Decoupage TableLamp
彼の作品に出会ったのは一年前、imptionに入ってから一年程経った頃に植物のモチーフが沢山描かれた一枚の飾り皿がお店にやって来ました。
その作品や作家について調べていて「デコパージュ」という手工芸の技法を知ったとき、親近感や懐かしさのようなの様なものを憶えた記憶があります。そしてそれは今の仕事へと繋がっていたり...。
本日ご紹介させていただくのは、私が今の仕事に就くきっかけを再確認させてくれたアーティストが生み出した希少な作品です。
新しい形となって受け継がれる
今回ご紹介するのはニューヨークを代表するアーティスト“ジョン・デリアン John Derian”のデコパージュテーブルランプ。
蚤の市で古い本と花の挿絵が印刷された紙が入ったアンティークの箱に出合い、その美しい図柄や印刷の虜になり、印刷物の蒐集を始めたというジョン・デリアン。
彼が作品のモチーフに用いるのは、18〜19世紀にかけての古い図鑑や雑誌の挿絵や図柄から。
そして集めたモチーフを「デコパージュ」という技法を用いて、プレートやオブジェ等の作品を自身のブランドで展開し、NYのアトリエで少数精鋭の職人によって手作業で生産されています。
冒頭で話したきっかけの話ですが、高校時代、アルバイトで得た給料だけでは欲しい家具を買う事などできず、その代わりに暇さえあれば美術館やギャラリーを訪れ、そこで手に入れたポストカードやポスター、チケット、もらった冊子、道中の古本屋で見つけた雑誌やアートブックの好きなページなどを切り取って、壁に貼り付けて、自分だけの空間を作って過ごしていました。(写真はやり始めた当時のものです。)
今思い返すと、そのような行動が空間の作り方や家具への興味を育み、最終的に今の仕事に繋がったのかもと思ったり。
ジョンデリアンも学生時代に授業をサボって蚤の市などに出向いていたらしく、物や形は違えど、集めたものを作品へと昇華するなど、小さな行動や思い付きが将来を変えていくのだと改めて確認させてくれました。
話は戻りますが、そもそも「デコパージュ」とはフランス語でdecouper(切る・切り取る)を語源とする言葉で、紙を裁断してコラージュし、ガラスに糊で張り付けて美しい工芸品を作りあげる手工芸のことを言います。
16世紀頃、イタリアの家具職人が日本の漆器を真似て始めたといわれており、日本の文化が海を渡って新しい物を生み出していると思うと少し嬉しく感じます。
今回入荷したのは、うっすらとライトグリーンやイエローにも見えるホワイトの下地に、ブルーの草花やレースのような模様が繊細に描かれたものを、ベース部分にデコパージュしたお品物。
前所有者様によってセミオーダーされた綿麻のシェードが付属しており、シェードを通した光は柔らかな灯りとなって空間を優しく照らし、辺りを温かな雰囲気で包みます。
ベース部分の柄ですが、中世ヨーロッパなどに多くありそうと思う反面、何となくアジアンな印象を受けるのは私だけでしょうか。
中国の青花磁器や日本の伊万里焼や有田焼によく見られる染付に近い雰囲気を感じますが、いつの時代の柄か、どんな本に描かれていたものなのかはジョン・デリアンしか知る人はいないかもしれません。
そういうのを想像してみるのも彼の作品の1つの楽しみ方と言えます。
様々な文化や歴史が描かれてきたであろう一冊の本の1ページが、現代に美しい作品となって生まれ変わるのはとてもロマンのあるものだと思います。
世界中の人々を魅了し続けるジョンデリアンのデコパージュテーブルランプ。
繊細なクリエイションがアーティスティックな空間を創造してくれる逸品です。