日本の古道具
本棚
ビンテージやアンティークに惹かれるのは、そこに刻まれた「時間」までをも感じられるからかもしれません。
すでに長い時間を重ねたものを暮らしに取り入れることで、空間にもまた、ゆっくりとした時間が流れはじめる気がします。
なかでも日本の古家具には、不思議と懐かしい風景を重ねてしまいます。
使い込まれた木の艶。
手仕事の跡が残る金具。
長いあいだ暮らしの中に置かれてきた家具には、かつてそこにあった時間や、誰かの日常までもが、静かに宿っているように感じます。
日本の古い本棚

今回ご紹介するのは、どこか懐かしく、そしてどこかあたたかい。
そんな空気をまとった、日本の古道具の本棚です。
長い年月を重ねるなかで、少しずつ深みを増した木の色。
味わい深いブラウンと、使い込まれた表情。
何度も読み返し、気づけばページの端が擦り切れている。
そんなふうに、人生のそばに置いておきたくなる一冊をしまうのに、これほど似合う本棚はないかもしれません。

棚板の背面には、小振りな支えが備わっています。
本を収納したときに奥へ入り込みすぎることがなく、背表紙を揃えてすっきりと収めることができます。
雑誌のような大判サイズには少し窮屈ですが、文庫本や単行本を並べるにはちょうどいいサイズ感。
お気に入りの本を何冊か選んで、表紙や背表紙を眺めながら並べてみる。
そんな使い方がよく似合う、こぢんまりとした本棚です。

そして、この本棚を眺めていて気になるのが、それぞれ異なる収納スペースの高さ。
上から24cm、22cm、27cm、29cm、28cm。
きれいに揃っているわけでもなく、そこに決まった法則があるわけでもない。
なんとも不思議な配列です。

きっと、はじめから「本だけを収納する家具」としてつくられたわけではないのでしょう。
本はもちろん、茶器や花器、薬箱。
そのときどきの暮らしに合わせて、さまざまなものを収めていたのかもしれません。
「この家具は、こう使うもの」
そんな固定観念が、今ほどなかった時代。
だからこそ、使う人の暮らしに合わせて、自由に役割を変えていける。
用途を決めすぎない大らかさもまた、古家具の魅力なのだと思います。

本を並べるための家具でありながら、並べるものを限定しない。
本も、器も、花も。
そのときの暮らしに寄り添いながら、静かに受け止めてくれる。
時を重ねた木の色や、一見不揃いにも思える棚のつくりまで。
そのひとつひとつに、かつての暮らしの気配を感じることができる。
そんな懐の深さを持った、味わい豊かな一台です。































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