Steiner
Tulip Chair
数多くの名作が誕生したミッドセンチュリー期。
技術の進歩や時代の激しい変化、異文化同士の混合は刺激的なプロダクトへと形を変えました。
フランスも同様、他とは異なる独自のモダンデザインは今尚強い魅力を放ち続けます。
本日ご紹介させて頂くのはフランスモダンデザイン史の中でも重要とされる名ビンテージアイテムです。
歪の美しさ
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第二次世界大戦後の復興期に活躍したフランスのデザイナー、ピエール・ガーリッシュ。
同氏は新たな工業技術を用いた現代的で合理的なデザインで多くの名作を輩出しました。
スチールフレームやプライウッド、そしてアルミニウム。
新素材と新技術の応用により完成されたそれらは様々な空間に美しく佇まいました。
1953年発表。
チューリップチェアはピエール・ガーリッシュの代表作として知られています。
ユニークなフォルムの背と座一体のシェルとそれらを軽快に支えるメタルレッグ。
名作であると同時に、このチェアは希少なビンテージアイテムとしても認知されています。
フランスのシュタイナー社が手掛けたこのチェアは元々ファブリック仕様。
その芯材として採用されたのがアルミシェルでした。
本来隠れる箇所であったシェルは仕上げが施されておらず、故に生まれる表情がこのチェアの特徴。
歪さを残した表情は個体差となり、印象的なフォルムと相まって洗練された存在感を放ちます。
限りなく薄く、しかしながら堅牢。
翌年に誕生したプライウッド製シェルの名チェア、トノーチェアはこのシャープさを受け継ぐことになります。
背と座一体のシェルは身体に沿う柔らかなライン。
アルミキャスト(鋳造)による自由度を感じさせる箇所です。
個性的な印象ながらコンパクトに佇まうチューリップチェア。
アルミ特有のひんやりとした印象からは想像も出来ない快適な座り心地で、安定感と安心感を持ち合わせます。
年々希少価値の高まるチェア、チューリップチェア。
名作家具としては勿論、アートピースとしても評価されています。
フランスモダンデザイン史で重要な役割を果たしたデザイナー、ピエール・ガーリッシュ。
歴史に残る、唯一無二の一脚です。