Charlotte Perriand
No.19
デザイン界に与えた多大な影響と残された多くの名プロダクト。
まだ見ぬ素材や技術が隠された世界で名デザイナーたちは新たな可能性を拡げ、限られた空間や暮らしをより良いものに変えました。
それらは今尚新鮮さを放つ名作として愛されています。
今回ご紹介させて頂くのは美しく素朴な魅力を放つ逸品です。
美しく佇まう素朴な名作
>>この商品の詳細を確認する
フランスの建築・家具デザインを代表する名デザイナー、シャルロット・ペリアン。
ル・コルビュジエとピエール・ジャンヌレとの共作、LCシリーズで知られる同氏はそれらのイメージとはかけ離れた天然素材を多用し多くの名作を残しました。
このチェアもそのひとつです。
1939年発表のチェア、No.19。
特徴は民芸椅子を思わせるシンプルでミニマルなデザインと存在感。
直接訴えかけてくるような力強くプリミティブな魅力を持つ一脚です。
素朴ながら上品な佇まい。
素材感と造形美は民藝にも通ずる匿名性のある魅力を感じさせます。
後に日本文化と民藝に影響を受けることになるペリアンらしいデザインなのかもしれません。
一切の無駄が無く、椅子として十分な構造。
しかしながら存在感あるそれぞれのパーツは太く重厚で素材特有の質感を十分に感じさせます。
座面は程よいテンション感のラッシ編み。
この仕様は当時の流行でもあったそう。
経年の具合も非常に魅力的です。
主材はビーチ材。
経年を含んだ表情豊かな素材感は確りと重厚ながら柔らかい印象です。
脚先に施されたテーパーも絶妙。
確りと支える分厚さを持ちながらも、この箇所が全体のバランスを引き締めます。
軽やかな心配りはぺリアンの意匠を感じさせる箇所です。
背の程よい傾斜もこのチェアの特徴。
ぺリアンの拘りが見られます。
ラッシ編みによる程よいテンション感が心地よく、高めの背と相まって確りと身体を支えてくれます。
戦前、戦後と日本と交流を続けたぺリアンは言葉の通じない日本でもコミュニケーションを取り合い自らのデザインに映したと言われています。
それらは日本の伝統を基礎としたモダンデザインとして今尚魅力を放ち続けることに。
美しく佇まう素朴なこの名作にも彼女の人柄が込められている様に思います。