Zanotta
CUMANO Folding table
カフェでランチを食べる、夜お茶を飲みに行く。2000年に入った頃、突如訪れたカフェめしブームにどっぷりはまっていた一人です。
ドリンクやスイーツ、パスタやワンプレートなどのごはんものなど、とにかくお洒落なメニューの数々。そしてソファやアートなど凝った店内のインテリアに流れるのはこだわりの音楽。
そこに居るだけで自分もお洒落になったような気分になり、友だちとだけでなくひとりでもよく足を運んでいました。あぁ、若気の至り。
時が経った今思うのは、なんだかんだでコ〇ダ珈琲が一番落ち着く…です。
気取らないカフェで
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ビストロと聞くと、フランスのどこか気品のあるパリジャンが集う洒落たカフェといったイメージでしょうか。
店内だけでなくテラスで颯爽とコーヒーを飲むフランス人が目に浮かびますが、実は日常で気軽に使える食事処、大衆食堂を指しているんだそうです。
そんなパリの伝統ある文化であるビストロで一般的に使用されていた三本脚のテーブルを再設計したフォールディングテーブル「クマノ | CUMANO」。
19 世紀後半に生まれたという原型デザインから着想を得て、Achille Castiglioni(アキッレ・カスティリオーニ)が1978年に生み出したプロダクトです。
アキッレ・カスティリオーニといえば、兄弟で手掛けたアルコランプやトラクターに用いられたシートをモチーフにしたメッザドロスツールといった奇抜なイタリアンモダンデザインを数多く輩出した人。
これらは、第一次世界大戦に対する抵抗と虚無感から、既成の秩序や常識を否定し破壊する「ダダイズム」という思想から生まれたとも言われています。
破壊してもう一度作り直すダダイストが、再解釈したビストロテーブル。比較的原型を残したデザインでありながら、細かなディテールにこだわって制作されました。
特に機能性の強化に焦点を当て、70年代には新素材であったABS樹脂をジョイント部分に採用。開閉性を大幅に向上させることで安定感をもたらしています。
と同時に、折りたたみ時には3.5cmの薄さを実現。天板穴に指をかけ、引き上げることで簡単にフォールディングができ、付属のフックを使用すれば壁掛けでの収納が可能です。
真っ平になった閉時の佇まいを見ると、折りたたみテーブルとは到底思えない美しさを感じられます。
伝統を継承しながら、最新のディテールを取り入れた合理的で頑丈なミニマルデザインは、まさにアキッレ・カスティリオーニの得意技と言えるかもしれません。
室内でも屋外でも、空間を開放的なビストロへと変身させるこのフォールディングテーブルは、もともと小さな居住スペースのために作られたんだそうです。
両脇にチェアを置いてテーブルを囲むだけで、そこはまるで小さなカフェのよう。ご自宅なら気取ることなくゆったりとした時間を過ごせそうです。