Zanotta
irma dining chair
こんばんは。用賀店のふくです。
本日は大変希少な椅子を皆様にご紹介させて頂きます。
価格が高騰傾向にあるポストモダンデザインの家具。
日本であれば倉俣史朗氏の作品。
海外であればエットレ・ソットサス氏やフィリップ・スタルク氏にスポットライトがあてられることが多いと思います。
現代における結果だけ見てしまうとこの椅子は埋もれた名品と言っても良いでしょう。
そんな特別なアイテム。
是非最後までご覧くださいまで。
切磋琢磨
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こちらは1954年に設立されたイタリアの家具メーカー“Zanotta/ザノッタ”の希少なビンテージアイテム『irma/イルマ ダイニングチェア』
デザインを手掛けたのはイタリアデザイン界の巨匠“アキッレ・カスティリオーニ”氏。
このirmaは1979年に発表されたものとなり、当時のポストモダンと呼ばれる思想運動の影響を色濃く映したデザインが特徴的です。
「ポストモダン=近代からの脱却」を目標としていたため、この頃のイタリアデザインは非常にユニークなアイテムが多く、有名なところだとエットレ・ソットサスが創立した多国籍デザイナー集団 Memphis/メンフィスがデザインした家具たちが挙がるでしょう。
近年だと国外でも数多くの展示会が開かれており、世界的にも非常に注目度の高いプロダクトが多い印象を受けます。
カスティリオーニ氏はこのMemphisに属しておりませんでしたが、当時の思想運動に賛同していたんでしょうね。
自分もポストモダンのアイテムは好きではありますが、あまり詳しくないので色々と調べてみました。
Memphisの設立は1981年。
このirmaは1979年のデザインと2年ほど先を行っているのです。
建築から広まったとされるポストモダンの思想をいち早く取り入れたのはカスティリオーニ氏なのかもしれませんね。
更にこの椅子は日本で取扱いをしていたという記録もなく、海外のサイトでも取引の実績はあまり出てきません。
このことから大変希少な椅子である言えるでしょう。
実際に手で触れてみるとメタルフレームは太く重厚。
シートに用いられたレザーは丁寧に鞣され、ステッチも非常に美しく入っております。
抜けのあるデザインと背もたれの傾斜は少し未来的な表情を楽しませ、フレームとシートを同系色に仕上げる事で、その特異なデザインを引き立てている様にも見えます。
また、ストレートに床に向かうすっきりとした脚部の先はブラックカラーで仕上げられており、全体を引き締める役目を担います。
腰を掛けてみて感じるのは安定感の高さ。
決してデザインだけに拘っているわけではないのが、合理的主義者とも言われるカスティリオーニ氏の魅力でしょう。
最後に個人的に気になったことでも。
イタリアデザイン界の巨匠とも称されるカスティリオーニ氏。
Memphisに属していないことが不思議でたまりません。
とある記事から「ソットサス氏とカスティリオーニ氏は向いている方向は違えど、目指す場所は一緒」なんて一文を見つけました。
好敵手のような感じだったのでしょうか。
切磋琢磨する相手がいるからこそ生まれた椅子。
そんな想像を膨らませてみるのも面白いですね。
※写真の右側にある照明はカスティリオーニ氏デザインのTACCIA。
合わせてご覧くださいませ。
Zanotta irma dining chair
FLOS TACCIA table lamp