CONRAD LEACH
Kurt Cobain
英国を代表するポップアートアーティスト、コンラッド・リーチ。
鮮やかな色彩と独自のセンスが構成する彼の作品はその名の通りポップなアイコンとして認識されています。
しかし扱われる面々は壮絶な人生を送った所謂レジェンドばかり。
神格化には反対ですがそれらはただポップなだけではありません。
本日ご紹介させて頂くのはコンラッド・リーチが手掛けるシルクスクリーン作品の代表作の一つです。
ティーン・スピリットの様な匂い
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1965年、イギリスで生まれたコンラッド・リーチ。
自身の心を躍らす被写体をアートへと昇華させた作品で知られています。
彼のルーツは1990年代のロックやモーターサイクルなどのカルチャーにあったそう。
今回ご紹介させて頂くのもその背景を十分に感じさせる作品です。
伸ばしっぱなしのボサボサの頭髪にアイシャドウで塗りつぶした目。
どこか諦めたかの様な物悲し気な表情。
しかしながら感じさせる力強さ。
90年代のバンドシーンを席巻した米国シアトルの3ピースロックバンド、ニルヴァーナ。
このアートワークはそのフロントマン、カート・コバーンを描いたものです。
1989年にインディーレーベル“サブポップ”より「ブリーチ」でデビューしたニルヴァーナ。
ヒットには及びませんでしたがそのわずか二年後。
赤ん坊がプールを泳ぐジャケットで知られる名作「ネヴァーマインド」で驚異的なヒットを記録します。
しかしそのヒットはカート・コバーンとニルヴァーナの破滅を意味する物でした。
ヒットにより人気者扱いされることを嫌悪したカート・コバーン。
苦しみの末にドラッグの乱用や自殺未遂や奇行を繰り返していたそう。
ロックスターを思わせる力強い表情の中に、どこか切なさを感じさせるティーンエイジャーの様な純粋な表情。
カート・コバーンのこの独特の表情は彼の書いた曲同様胸に刺さるものがあります。
1994年、彼の自殺によりニルヴァーナ解散。
後にリリースされた生前最後のレコーディング音源「ユーノウユアライト」は決してただ悲しく暗いだけの曲ではありませんでした。
カートの表情を無駄なく切り取り作品に昇華させたコンラッド・リーチ。
鮮やかなバックカラーで知られる彼の作品ですが、この作品にはカート・コバーンの燃えるような人生を表現したかのような鮮やかなレッドが用いられています。
「霞んで消えるよりはむしろ燃え尽きたい」と遺したように力強さと儚さを含んだ、決してポップとは形容することを許さないポップアートと言えます。