CONANT BALL
Dining Chairs
ミッドセンチュリーデザインを語る上で欠かせない人物といえばイームズやネルソン、サーリネンなどの著名な名前が思い浮かびますが、この方も忘れてはいけません。
Russel Wright(ラッセル・ライト)。アメリカモダニズムを支えた影響ある人物のひとりです。
食器のデザインが有名なひとなのでプロダクトデザイナーかと思いきや、意外にも幅広いデザインを手掛けていました。
「家の中央にはテーブルがある」
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はじまりは“ 食卓 ”。それまで主流だったヨーロピアンスタイルから脱却し、よりシンプルで機能的にしたいという思いから生まれたライトのテーブルウェアは、日常にカジュアルの新風を吹かせました。
セット売りが常識だった当時、単品売りで自由に購入できる食器となれば間違いなく新鮮だったに違いないはず。
食器を皮切りに食卓自体のデザインへと幅を広げ、リビングやダイニングの家具へ。
そして家具だけにとどまらず、その内装のすべてや住居に至るまで、彼のデザインの波はとどまることを知りませんでした。
その中で生まれた家具デザインを多用したのが、1800年代後半にアメリカのマサチューセッツ州で誕生した「CONANT BALL Furniture Company(コナンボールファニチャーカンパニー)」。
もともとコロニアル様式(植民地様式)で知られていた家具メーカーですが、残念ながら1980年代に閉鎖されています。
まず目に留まるのは、スピンドルバックが用いられた英国スタイルだという点。
同社のスタイルを受け継いでいるのか、モダニズムの最中に生まれた椅子という割には、どこかカントリーの風合いが漂う一脚です。
それでも艶やかな飴色に変化を遂げたバーチ材を用いていたり、少しくらい荒っぽく使ってもびくともしなさそうなしっかりとした脚部を採用したり。
伝統的なデザインの中にも実はナチュラルで、いい意味で庶民的な要素が取り入れられています。
脚裏に埋め込まれた金属もまた、ビンテージのチェアによく見られる仕様。見れば見るほど、ザ・ミッドセンチュリーな風合いを感じて頂けるのではないでしょうか。
さらに、ハーフアームを掛け合わせたことで上品さを残しつつも“ 最大限のカジュアル ”が引き出されている印象も。
座り心地はというと、9本のスポークがしっかりと弧を描き、背中を包み込むようなホールド感を味わえるとともに、広めの板座でしっかりと身体を支えてくれます。
また程良く座面には前上がりの角度がつけられているので、肘を預けられる点も含めてゆっくりお食事を楽しむ長座向けの椅子といえるでしょう。
形式張らないカジュアルな生活。ミッドセンチュリー期にもたらされたそんな生活様式は現代に引き継がれ、当たり前のようになっています。
そしていまでも「家の中央にはテーブルがある」。ライトに倣って、インテリアを食卓から始めたり見直すのもよいかもしれません。
食卓にこだわり抜いて生まれた、ラッセル・ライトのダイニングチェア。気取らない何気ない毎日にぜひ取り入れて頂きたい逸品です。
ダイニングチェア バーチ材 ハーフアーム A
ダイニングチェア バーチ材 ハーフアーム B