GETAMA

PETER'S TABLE

1944年に幼児用家具 兼玩具としてデザインされ、現在も多くの人々に愛されている名作「ピーターズテーブル PETER'S TABLE」。

それは北欧の巨匠ハンス・J・ウェグナーが、親友のボーエ・モーエンセンの長男、ピーターへ向けて用意したとっておきの誕生日プレゼントでした。

絆が生み出した名作

当時はまだ第二次世界大戦の最中。

特にヨーロッパ周辺の国はその影響を大きく受け、街で贈答品のようなものを見つけることは叶わなかったそうです。

しかしウェグナーは自身の身近にあるもので家具を製作しプレゼントすることを決めます。

とても心温まるエピソードですね。

ボーエ・モーエンセンとウェグナーはどちらも"北欧の巨匠"としてあまりにも有名な存在ですが、2人は同じアパートで暮らしたことがあるほどに仲が良く、親友、ライバルとして切磋琢磨しあう関係だった事でも知られています。

同じ土地に生まれ、コペンハーゲン美術工芸学校の同期であり、年齢も同じ。

家具職人としてデンマーク公認のマイスター資格を有する点も共通しています。

その後互いに別々の進路へと進みながらも、その絆は生涯を通じて続いたそうです。

ピーターズテーブルのオーナー、ピーター君はまだ生まれたばかりだったので、家具をプレゼントするというのは少し早めに感じられたかもしれません。

しかしピーターズテーブルは釘やネジを使わずに組み上げられており、自由に分解組み立てを行う事が可能な設計。

これによりテーブルを使いたい時に自由に組み上げられることは勿論、ウェグナーの自宅からモーエンセンの住む場所への輸送もコンパクトに行えたのだそうで。

こういった仕様も当時の状況を鑑みたものだったように思いますが、庶民の暮らしに重きを置くモーエンセンにとってこのデザインは非常に嬉しいものだったのではないでしょうか。

角がまあるく落されたフレームのディティールは、幼児用のテーブルとして最適な作りとなっています。

平面を基調としながらも天板が脚部にちょんと乗るようなシルエットで、シンプルなのに立体的な佇まいです。

天板下に通気が確保されるので実用としても機能的ですね。

幼児用ではありますがそのデザイン観は非常に洗練されており、現代の子供向け家具の元祖とも言われている事にも納得の完成度です。

現在名門家具メーカー "Carl Hansen & Son" が製造販売を行っていますが、今回入荷した一点は、"ゲタマ GETAMA" が製作していた時代の大変希少なビンテージ品。

レッドカラーのペインテッドは後年に施されたものと思われますが、味わいを増したビーチ材に対し鮮やかなレッドカラーが見事に映える、活き活きとした装いとなっています。

有名な逸話から生み出された逸品となっておりますのでコレクションとしては勿論、店舗用インテリア、空間に対するアートピースとしてもお勧めです。

一点のみの入荷となっておりますので、お探しの方は是非この機会をお見逃しなく。