Glostrup Mobelfabrik
EX DiningTable by Grete Jalk
嵌ると抜け出せないビンテージ家具の沼。
半世紀以上の歳月を超えて残っているビンテージ家具の風合いは、現行して販売している家具とはやはり一線を画すものがあり、店舗で毎日見ていても飽きることが無いなと思う今日この頃。
折角お部屋に迎え入れるのなら、飽きの来ない永く愛せる家具をお迎えしたい方が多いかと思います。
本日はそんな方にオススメしたい、デンマークビンテージのエクステンションダイニングテーブルをご紹介いたします。
グレーテ・ヤルクの美学
日々の生活を共にする家具選びにおいて、シンプルで洗練されたデザインと無駄の無い機能的な造りというのは最も重要な基準の一つなのではないか、と個人的に考えたりします。
その中でも北欧のビンテージ家具は、デザイン、品質共に高い水準にあることが世界中で認知されており、至る所に北欧デザイン全ての魅力が表れていると感じます。
今回ご紹介させていただくのは1950年前後にデンマーク・グロストルップで設立された家具メーカー“グロストルップ・モーベルファブリック Glostrup Mobelfabrik”のエクステンションダイニングテーブル。
デザインを手掛けたのは、1950年代、60年代の当時のデンマークでは珍しい女性家具デザイナーであった“グレーテ・ヤルク Grete Jalk”。
デンマーク王立芸術アカデミーでは北欧モダンデザインの父“コーア・クリント”に師事し、1953年には自身のスタジオを設立。
素材やフォームを使用する新しい革新的な方法を取り入れ、その誠実さと品質、実験計画への真の関心によりデンマークのデザインの新時代への道を切り開いた一人です。
同作で使用されている「チーク材」、北欧家具には欠かせない木材であり、家具好きの方はご存知の方が多いと思います。
世界三大銘木の一つに選ばれており、チーク材に含まれる豊富な油分は撥水性と耐虫性に優れ、強靭でしなやかな耐久性と“ゴールデンチークカラー”と呼ばれる美しい色合いから高級家具、豪華客船や高級ヨット等の船舶で古くから重宝されてきました。
ミッドセンチュリー期ではその優れた材質からデザイン家具でも積極的に使用されるようになり、多くの北欧デザイナーを虜にした木材としても知られています。
流れるような杢目が美しい天板には、エッジ部分に船底面型の面取りが施されており、その優美な曲線が温かな風合いを醸し出します。
天板には異なる木材を組み合わせた縁取りが施され、職人の手によって一つ一つ丁寧に仕上げられ細部にまでこだわったデザインは、圧倒的な高級感と存在感が漂います。
なだらかな弧を描く天板と、脚先に向かってテーパードがかかる楕円形の脚部が織り成す柔らかな印象は、シンプルながらも洗練されたデザインを際立たせ、目を惹きます。
また、一般的なエクステンションテーブルとは異なり、こちらは両サイドの伸長天板がメイン天板の下にすっぽりと収まる設計に。伸長天板が綺麗に隠れることで、使用しない時にはすっきりとした美しいシルエットが保たれます。
伸長方法も非常にシンプルで、メイン天板を持ち上げ、追加天板をスライドさせるだけで簡単にサイズ変更が可能。
通常時は幅120cm、追加天板を広げることで168cm・215cmと調整可能な為、用途に応じて2~8人での使用に対応でき、家庭やおもてなしの場面でも活躍します。
余計な装飾を加えることなく、素材そのものの美しさを引き立てるデザインは、北欧家具はもちろん、さまざまなインテリアスタイルに調和し、インテリアに自信がない方でも安心して取り入れられます。
無駄のない端正なルックスとグレーテ・ヤルクらしい優しく柔らかな印象を持ち合わせたテーブル。
職人による丁寧な手仕事と、高い木工技術を思わせるディティールの完成度は素晴らしく、使う毎に北欧ビンテージの魅力を再確認させてくれます。
エクステンションダイニングテーブルの中でも最高峰のデザインと造りの良さを感じられる逸品、是非この機会にいかがでしょうか。