graf × SOGOKAGU

Narrative 3/6 SOFA/SOLID S

このソファを初めて見た時、いつかのジャン・プルーヴェ展で印象的だった「家具をつくることと家を建てることに違いはない。実際、それらの材料、構造計算、スケッチはとても似通っている。」という言葉を思い出しました。

家具という建築

大阪を拠点に、住宅の設計・施工、家具の製造・販売だけでなく、ブランディングデザインやカフェ運営、 食・音楽のイベント運営など暮らしにまつわる要素を実践している " グラフ graf " 。

「ものづくり」を通して、「暮らしを豊かにする」ことを目指すクリエイティブユニットです。

今回は、同社が活動初期に発表して以来ロングセラーを誇るサブロクソファをご紹介いたします。

サブロクソファといえば積層合板で組まれたフレームがアイコン的。

しかし、こちらはオーク材の木目の美しさや温かい風合いが感じられ無垢材のフレームです。

2017年に、業務用家具として定評のある " 相合家具製作所 " より、オーク無垢材のフレームになって、新たに製造・販売された一脚になります。

こちらのソファの特徴と言えば、この無骨でシンプルな構造のフレーム。

日本では昔から馴染みのあるサイズ " 3×6尺（910×1820mm）" の合板1枚から、「できるだけ無駄を出さずにどんな家具をつくれるか」というアイデアのもと生まれたとのこと。

柱や梁・母屋を組んだ木造建築の躯体を彷彿とさせるようなどっしりとした佇まい。

建築設計等にも取り組んでいる " グラフ graf " だからこそのアイデアとチャレンジから生まれた、まさに建築的な一台です。

フレームを躯体とするならば、背もたれと座面のクッションは建築物で言うと仕上げ材。

躯体（フレーム）に限らず、仕上げまで抜かりなく計算されたデザイン性の高さも魅力の一つ。

やわらかく落ち着いたライトグレーの色味と高級感のあるヘリンボーン柄のファブリックは、心地のいい空間を演出してます。

充分な広さのある背もたれと座面は、体勢を選ばない自由度の高さ。さらに、クッションは程よく弾力があるため長時間くつろぐのに最適です。

シンプルな構造がそのまま意匠となったすっきりとしたシルエットで、飽きることなく生活に馴染む温かい雰囲気の逸品。

身近な建築物として、暮らしを豊かにしてくれることでしょう。