Gustavsberg
Lisa Larson TRAFFIC Whale
北欧スウェーデンを代表する陶芸作家『Lisa Larson リサ・ラーソン』。
彼女が手掛ける動物たちはちょっぴりおとぼけ顔で愛嬌のある表情が自然と笑顔をくれるそんな不思議な力を持っています。
1954年にスウェーデン最大の陶芸製作会社Gustavsbergに入社して1979年に独立するまでに既に320種類以上の作品を手掛け、独立してからも現在に至るまで現役で活躍し、数多の作品を世に送り出し世界中の人を虜にしてきました。
現在では様々な種類が復刻され手軽に買える時代になりましたが、当時のオリジナルのひとつひとつ手作りで作られているアイテムはやはり存在感が違います。
本日は生産数も少なく、見ることさえ今では難しくなってしまったリサラーソンの貴重なビンテージアイテムの中でも1971年から1973年という短い期間でしか製造していなかったアイテムTRAFFIC Whaleが縁あって経堂店に来てくれましたのでご紹介させていただきます。
リサが70年代初頭に手掛けた極希少ビンテージ品。
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1971年に発表した”交通”をテーマにしたシリーズ”TRAFFIC ”車、飛行機、気球(小)、(大)、象、鯨の6種から構成される白炻器製のユーモラスな作品群となっております。
可愛い動物の印象が強い彼女の作品の中でも珍しい角度から生まれたシリーズとなっているばかりか、通常陶磁器製が多い所、このトラフィックは白炻器製となっており、現行のリサの作品とは質感じたいが異なっております。

またそんな異質なシリーズの中でも極めて目立っているのがこのTRAFFIC Whale valです。車、飛行機、気球ときて急にこんな顔したくじらがいるので驚いた方も多いのではないでしょうか。

しかも側面には謎の生物が!
この子には実は名前がありその名は「ヨナ」。
そう旧約聖書の中に登場する聖人ヨナがモチーフとなっているのですね。ある時、ヨナは神様の言う事をきかず逃亡をはかりますが、船が嵐に遭い、ついにはクジラに飲み込まれてしまいます。ヨナは、クジラのお腹の中で懺悔し、最後は神様に赦されるというお話となっておりますが、非常に人間味があり憎めない人物となっております。

またスウェーデン語でくじら(val)は「選択」という意味もあり、当時から環境問題に意識が高かったリサからの”環境問題に対する行動は、一人一人が何をどう選択するかにかかっている”というメッセージが含まれています。

深いメッセージが込められた作品とはなっておりますが、おとぼけたくじらの表情、中に乗っているヨナの表情、楽しそうに泳いでいそうな躍動感のあるデザインと深い蒼。
手描きで描かれる表情はひとつひとつ異なり、とても愛着のわくものになっております。さすがリサラーソンの作品ですね。

1971~1973年という僅かな期間でしか製造されていないため、市場に出回る事があまりなく実物を見る事は中々困難とはなっておりますが、リサラーソンが手掛けた存在感溢れる作品のひとつとなっており、傑作作品のひとつに数えられております。
おそらく次回入荷が見込めない極希少のビンテージアイテムですので、お探しだった方は是非この機会をお見逃しなく。
