Carl Hansen & son
CH24
デンマークデザイン界の巨匠、 ハンス・J・ウェグナー。
見た目の美しさと座り心地の融合。
芸術作品としてではなく実用性を上手く共存させたチェアを、生涯に渡って500以上手掛けることになります。
最も有名な代表作が、CH24 通称 ”Yチェア”。
巨匠の哲学が色濃く表れた究極の一脚をご紹介致します。
語り継がれる名作。
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家具職人 H.F スタルベアーグの元で家具を学び、17歳で家具職人の資格を取得したウェグナー。
2年間の工芸スクールでの在籍後、デザイナーとしての活動を開始しました。
1943年、ウェグナーは自身のデザイン事務所を開設。
1949年には初めてカール・ハンセン&サンに椅子をデザインしています。
この時デザインされたのがCH24、Yチェア。

現在まで魅了し続ける作品の数々。
デザインと機能性の融合。
「デザインをより純粋なものにしていく。私にとってそれは、よりシンプルにしていく作業。4本の脚、座面、背、アーム、そしてそれをつなぐフレームというように、必要最小限なところまで、無駄をそぎ落とすということなのです。」
家具の核となるもの、無駄を削ぎ落していきその家具の本質ともいえるべきものを露わにしていく。
これが、ウェグナーが後世に遺した最も大きな功績と言えます。

シンプルな美と実用性の追求。
ウェグナーが示したデニッシュモダンの在り方です。
美的センスは、木材への深い造詣と、天然素材への探究心。
特異な佇まいながら無駄な部分を感じさせないシンプルな造形、そして素材の温かみ。
フォルムや美しい接合部を創り出す基盤となっているのは、家具職人としての技術と知識があるからでしょう。

CH24の斬新な試み。
それまでの椅子デザインでは見る事の無かった、アームと背もたれを一体化したデザインを取り入れました。
流線形の曲木が齎す安定性と心地よい使用感。
この形状からYチェアと呼ばれるようになったそう。

曲木加工に適したビーチ材。
優しい温もりを感じさせる白木の風合い。
シンプルで無駄のない造形は素材を最大限活かします。

完成に必要な製作工程は100以上。
しかもそのほとんどが職人の手を通して作られています。
座面にペーパーコードを張る作業は、熟練した職人でも1時間を要する重要な工程。
1脚あたり、120メートルの強度と耐久性に優れたペーパーコードが使用し、長年にわたって使用できる座面を作り上げています。
究極のデザインは同時に究極のシンプルであると煽るハンス・J・ウェグナー。
最適なデザイン、快適な機能性、選び抜かれた素材。
実際に座ることで魅力を感じて頂けます。

創造性と独創性に溢れたデザイナー、ハンス・J・ ウェグナー。
同時にとても情熱的であったそう。
亡き今は燃え盛るその姿を確認することはできません。
しかし、ウェグナーの魂は彼の残した作品に宿り続けています。
カール・ハンセン&サンに託した情熱。
使い手が魅力を実感し次世代に繋いでいくことでその魂は灯び続けることでしょう。
