Carl Hansen & Son
CH24
立つ、座る、転がる、これらの行為は人間が浮くことが出来ない以上、どのような行動パターンをとったとしても絶対的に伴う、自然な行為です。
例えば、椅子。これはそれらの行為の中でも”座ること”を支える家具です。座ることが出来るなら、どの椅子でも、もしかしたら同じなのかもしれません。
そんな椅子について、今回ご紹介するのはハンス・J・ウェグナーの”Yチェア”です。
”座る”

家具好きの方なら誰もがご存じのデザイナーがいます。
それが、“Hans J. Wegner ハンス・J・ウェグナー”です。彼は、1914年にドイツで生まれ、生涯を家具職人として過ごします。
彼の人生には。多くのイベントがあり、家具職人の弟子として、木材についての専門的な研究をしたのち、20歳という若さで、兵役の為、コペンハーゲンへと渡ります。兵役終了後もそのままコペンハーゲンに残り、次は美術学校で、家具設計を学びます。
その後も様々な経歴を経て、歴史に残る家具デザイナーとしての道を進み続け、1995年に、自身の集大成となる、ウェグナー美術館を、生まれ故郷のトゥナーに開館しました。現在でも多くの人々が訪れる、家具デザインのメッカとして、広く知られています。

このYチェアのデザインにおいて、インスピレーション元となったのは、中国の伝統的な椅子「クワン・イ」です。
「クワン・イ」は背もたれと肘掛けが一体となった流れるような曲線を持つ椅子です。
その円弧を描く背もたれは腕を広げて肘を乗せるのに適しており、かつては富裕層にむけて作られていました。

ウェグナーはそんな「クワン・イ」立体的な美しさに影響を受け、この”Yチェア”を考案しました。
この椅子には、クワン・イの特徴である、座面のペーパーコード編みがしっかりと反映されており、これは1脚約120mのコードを使用し、職人による完全な手作業で仕上げられています。そのため、一つひとつが絶妙な違いをもっています。
素材はオーク材、ソープフィニッシュによる仕上げで、表面はマットに優しく輝きます。

座り心地は抜群。柔らかすぎず、堅すぎずといった具合の、一度座るとやめられなくなる座り心地です。
インテリアの一部としても、この凛とした佇まいが、静かに威厳な空気感を放ち、部屋全体の雰囲気を引き締めます。

”座ること”を取り巻く環境を大切に、丁寧に整えてあげることは、その先に繋がる、本を読む、絵を描く、コーヒーを飲むなど、あらゆる行動を支えます。
立ち仕事をされている方なら、靴やスリッパ、フローリングを整えてあげる、一日の疲れをしっかりとるために、寝具を大切に選んであげる。椅子も同様という訳です。































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