Carl Hansen & Son
CH24 Y Chair

ルーツは海外でありながら、手を加える事でその国の代表する物となった物が多くあります。

特に日本ではそういった物が多く、身近なもので言うとラーメンが挙げられます。元々は中華料理であり、鶏ガラ醤油が定番だったものを多くスープの種類が誕生し、つけ麺やまぜそばといった食べ方も生み出した事で、海外では日本食として紹介されています。

そうやって海外の物をアレンジすることで国を代表するアイテムになった事例が日本のみならず存在します。

中国由来の北欧を代表する一脚

1908年10月28日、創業者カールハンセンによって創業し、その後3世代にわたる家族経営によって現在までウェグナーのアイテムを多く手掛ける" カールハンセン&サン / Carl Hansen & Son "。

厳選された素材に熟練の職人による高い技術が光る高品質なアイテムを製造。ウェグナーのみに限らず、著名なデザイナーの名作を手掛けるダニッシュモダンを代表するブランドです。

同社から販売されている「 CH24 」通称 Yチェア。

ダニッシュデザインの巨匠" ハンス・J・ウェグナー / Hans J. Wegner "によって1949年に誕生したこのアイテムは中国明代の椅子、圏椅（クワン・イ）を元にして生まれたアイテム。1944年にFritz HansenよりFH4283(通称 チャイナチェア)、翌年にはFH1783(通称 チャイニーズチェア)をデザインし、その2つのデザインを更に突き詰める事でYチェアが誕生しました。

そんなYチェアの特徴は背もたれの美しい造形。Yチェアの名前の由来となったYの形状が特徴的です。

アームと一体になった背もたれは積相合板では無く、無垢材を曲げて作られています。ただでさえ曲げ加工が難しい無垢材を美しいアールを持たせた形状に仕上げるのは相当な高い技術だから生み出せる物。

座った際にはこのアールが高いフィットを生み出し、身体を横向きにした際でも身体をしっかりと支えます。短めのアームは肘を置いて読書やデスクワークなどの際にリラックスした体勢に。テーブルに挿す際にも干渉し辛く、テーブル周りをスッキリと収納可能です。

座面は程よい硬さにペーパーコードが張られており、体重をしっかりと受け止めます。ペーパーコードは使い込む事でその人に合った形状に馴染んで行くため、唯一無二のフィット感を生み出すのが特徴。

ペーパーコードは専門業者によってオリジナルと同様の物に張り替え済みとなっているので、これから使い込んで自分の体型に合った一脚に育てられます。

今回入荷したのは力強い杢目と高い耐久性を兼ね備えたアッシュ材を使用したソープフィニッシュに仕上げの物。ナチュラルな風合いとサラッとした手触りが生み出す優しい雰囲気はナチュラルテイストや北欧テイストのインテリアに是非とも取り入れたいです。

座面の高さが42cmと日本仕様となっている為、国内ブランドのダイニングテーブルでも合わせやすいサイズ感です。

中国とデンマーク、デザインにおいて共通点が思いつかない物ですが、手が加わる事で自国のテイストに変わってしまうのもウェグナーのセンスだからこそ。

誕生から約75年経った現在でもマスターピースとして世界中で高い人気を誇る一脚です。