Carl Hansen & Son
CH22
本日は、素材の個性と職人技巧が際立つ美しいダニッシュデザイン" カールハンセン&サン / Carl Hansen & Son "『 CH22 ラウンジチェア 』のご紹介♪
華の蕾は静かに綻ぶ



" カールハンセン&サン / Carl Hansen & Son "は、デンマークで2番目に大きいフーネン島にて1908年創業。ご存知ハンス・J・ウェグナー、アルネ・ヤコブセン、ボーエ・モーエンセン、コーア・クリント、ポール・ケアホルム、安藤忠雄等、世界の名立たる巨匠達の作品を製造しています。
デザインを手掛けたのは、お馴染み「Yチェア」を始め、生涯500種類以上の椅子をデザインした事で知られるハンス・J・ウェグナー。13歳の頃より家具職人として修業を始め、その4年後には指物師マイスターの資格を取得。木に触れ、素材の特性を知りながら培った家具製造の経験が、同氏のデザインの基礎となっています。
『 CH22 』は1950年に発表され、ウェグナーが同社の為にデザインした最初のシリーズのうちのひとつといわれています。


フォルムデザインの中で最初に目に留まるパーツは、デザイナーが意図して人の注意を向かせている事が屡々ですが、積層合板で作られた湾曲する背もたれが同作の顔と言えるでしょう。
リビングの中央で柔らかな雰囲気を醸し出す楕円形のシルエット。北欧のダイニングチェアではよく見かける形状ですが、ラウンジチェアとしては目新しく、大きな楕円が存在感を放ちます。
また背柱との接合部は埋木の構造となり、木目の異なる2本の縦線が、寸分の狂いも無く湾曲面と同化。その高い技術力の証明と共に、さながら" 椅子の目 "となり視線が合います。
背もたれと同様に肘掛けもチーク材を使用。木の呼吸を留めないオイル仕上げ故に、指先に伝わる心地良い肌触りは、自然と共に生活していると分かる安心感を与えてくれます。


赤みを帯びたブラウン色の背もたれと肘掛けに対して、背柱や脚部等の無垢材フレームには、ナチュラル色のオーク材を採用。ツートンカラーでミックスされたメリハリのある面持ちは勿論、はっきりとした木目と虎斑模様による自然の表情が楽しめます。
また座面は心地よい肌触りのペーパーコードは通気性が良いので夏は蒸れず、また冬も温かい為、オールシーズン快適にお使い頂けます。ペーパーコード特有の凹凸や斜めのラインがまっすぐ揃うように編んでいく「封筒編み」の表情は、オーク材の色合いと調和しながらも、ウッドフレームに対して目を惹くアクセントとしてきいています。


楕円の背もたれとツートンカラーに注目が集まりますが、北欧らしい「引き算の美学」で生まれたフォルムデザインは、うっとりと全体を眺めていると、デザイナーと職人の意匠が感じられる細部の造形の拘りに気が付く事があります。
前述の埋木は勿論ですが、座面正面角の積層、後ろの貫にあけられたぺーパーコードを通す為のホール等、随所に職人技巧の美しさが見られます。またアーム下の縦のフレームは、よく見ると植物の様に波打つオーガニックフォルム。これは誰が見ても手間がかかりそうです。
精密さを要求されるディティールから長年生産が休止されていたのだとか。満を持して、2016年に復刻を果たしました。

時間を掛けてその椅子を眺めていると、作り手の静かな声が聴こえてくるようです。細部に秘められた美しさがゆっくりと、ゆっくりと伝わり、少しずつ感性の蕾が開いていきます。











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