Kartell

4964 Flap Cabinet

一見すると、脆く安価な印象を与えるプラスチック。

しかし、あるブランドはその固定観念を大胆に覆し、機能性だけでなく、贅沢さを兼ね備えた逸品へと昇華させました。

今回は、プラスチック家具の先駆者として知られるイタリアの名門ブランドが手掛けた、スタッキングキャビネットをご紹介します。

素材を超越したデザインと技術

1949年、イタリアで誕生した家具メーカー「カルテル」。

創業者ジュリオ・カステッリは、当初、自動車部品や家庭用品、照明パーツといった実用品の製造を手掛けていました。

しばらくしてその過程で培ったプラスチックの加工技術を活かし家具の製造に着手。

斬新なデザインと精緻な技術が融合した作品は瞬く間に世界を魅了しました。

1960〜70年代には、世界初のプラスチック製チェアを発表。

革新素材としてのプラスチックに洗練されたイメージを与えるべく、多彩なデザインと豊富なカラーバリエーションを展開しました。

その後、多くの名だたるデザイナーとの協業により、後世に語り継がれる名作を多く輩出してきました。

今回ご紹介するのは、カルテルらしさが光るヴィンテージのスタッキングキャビネットです。

70年代にオーストリア出身のインテリアデザイナー、オラフ・フォン・ボールによって生み出された希少な一品。

スペースエイジデザインを得意とする彼の個性が色濃く反映された逸品です。

フラップ扉の開閉機構と十分な収納スペースは、シューズラックや衣類、小物収納など、多様な使い方が可能。

さらに、天板と4段のボックスはそれぞれ分けられる構造のため、空間のスペースやインテリアに合わせた高さ調整も自在です。

一見プラスチックとは思えない繊細な彫刻や洗練されたフォルムは、一度目にすると心に深く刻まれるほどの強烈な存在感を放ちます。

カラーは鮮やか且つポップなレッド。

空間のアクセントとして抜群の存在感を放ちます。

近年、カルテルは環境に配慮したバイオプラスチックやAIデザインの導入など、さらなる革新を追求しています。

プラスチック技術とデザインの融合への飽くなき挑戦は、これからも私たちを驚かせてくれるでしょう。

ポップでありながら実用的。

そして唯一無二のスタイルを貫くブランドが生み出した、唯一無二なビンテージアイテムのご紹介でした。