Kartell
MOBIL3
暑い。ひたすらに、暑い。え?何でこのブログを読んでいる人が考えている事が分かったかって?
それは私がエスパー・・・な訳ではなく、否が応でもそう感じてしまう暑さだからです。35度越えは流石にしんどいですよね。
Tシャツだけではなく、タンクトップで通り過ぎる人もチラホラ。本当に、皆さん無理をせず程よく冷房を使って過ごしましょう。
こんな時には、やはり涼しい印象のアイテムを。
というわけで、早速ですが今回はカルテルよりワゴンのご紹介です。
光全てを、通さない
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インテリアで「暑い」「寒い」。ちょっと不思議な感じではありますが、人は感覚の生き物。
例えばテーブルの天板が木材であれば人の体温に近い暑さ(温かさ)を、大理石であればヒヤッとした寒さ(冷たさ)を触感からの記憶で連想します。
見た目は記憶に結びつく涼しい「感覚」。それを呼び覚ましてくれるのが今回のワゴンです。
デザイナーはアントニオ・チッテリオ。1950年、イタリアの北方、ミラノのさらに北にあるロンバルディア州メーダに生を受けた建築家・デザイナーです。
もともとモノづくりに親しみやすい環境にあったらしく、最初にデザインした家具は父の工房で作られたようです。建築を学び、1972年に設立したデザインスタジオを中心に幅広く活躍。
インテリアであれば今回のカルテル KartellのほかB&B、FLOS、vitra.、FLEXFORM、Morosoと多くの企業からアイテムを発表しています。
60歳を超えた今でも精力的に活動しており、たとえば2020年台湾の台中市に開業した超高層ビル、La Belle Vitaは建物一面を覆うハニカムパターンに不要な光を遮断するアンバーのガラス窓とその存在はまさに圧巻。デザイン賞に於ける最大の栄誉のひとつであるコンパッソ・ドーロも2回受賞するなど世界をリードするに足る実力者の存在を示しています。
今回はチッテリオ氏と同じくロンバルディア州生まれのファニチャーブランド、カルテルとの作品。
グレン・オリバー・レーヴと共同で手掛けたこのモビル コンテナシリーズは、バティスタ フォールディングテーブルと共にMoMAのパーマネントコレクションに選定されています。
発表は1993年と、今ジワジワと再評価が高まる90年代。スタイリッシュなフォルムがまとう質感豊かなプラスティックボディが当時らしい魅力のひとつになっています。
今回同時に
シトラスイエローという爽やかな色味のものが自由が丘店に入荷しておりますが、経堂店入荷分は言葉でも涼しいクリアカラーの「アイス(ICE)」。
光を通しながらも拡散する半透明な仕上げによって静かに冷気を放つ氷のような印象を与えてくれます。
透明だと中身が見えすぎて生活感に結びつきやすいですが、ほんのりと分かる程度にぼやかしてくれるのでより気軽に使いやすいメリットもあります。
軽量なプラスティックに半透明の質感が組み合わさる事で出来るこの不思議な軽やかさはチッテリオ氏も大事に思っていたのではないかと思います。
引き出しをスムーズに開閉するために必須のスライドレールは左右側面のみ。ある意味グロッシーなメタルフレームが前後面に見えたら同じような軽やかさはなかったでしょう。
不足する構造上の強度は透明感に影響しない最下部のフレームをX字に交差する事で担保。印象を犠牲にしないためのアイデアが逆にオリジナリティに繋がっています。
ドロワーの内寸は一つにつきおおよそ幅40 ×奥行43 ×深さ13センチ。小物や文具はもちろん衣類などを収納しても良い雰囲気になりそうです。
A3用紙が縦に入るのでちょっとした書類や雑誌の収納もOK。今回はキャスターも付いているので移動もスイスイ。快適にお使い頂けそうです。
これからどんどん強くなる夏の日差し。直接受け止めたらジリジリと身体が灼かれてしまいそうですが、空気を含んだ氷のように光を和らげてくれるこのストレージがあれば、一枚上手な夏を過ごせそう。
普通に見えるのに、美しさは人(モノ?)一倍。本能と理性のバランスが効いた「抑制」が魅力のデザイナーズプロダクト。
是非この機会にご検討下さいませ。