Kartell
MOBIL 3 WAGON 3
今日も今日とて暑いですが、肌を灼くような日差しではないせいか、それほど体力を消費する感じがしない今日の昼。
過ごしやすくはありますが、暑さが前提にあってこその「夏」。
ほどほどに、ほどほどに(2回言いました)暑くならないかなと考えているのは私だけでしょうか。
今回ご紹介するのは、夏を楽しむ際には必須な要素が入った素敵な収納家具。
宜しければ最後までお付き合い下さい。
絶妙なひとひねり
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今回のご紹介はカルテル社のワゴン。
イタリアを代表する家具メーカーの得意分野はなんとプラスティック。
1949年に、イタリア北西部のロンバルディーア州(長ぐつの履き口あたりですね)に設立されたメーカーになります。
化学エンジニアであったジュリオ・フェリエーリによって設立されたカルテル。そのパートナーであるアンナの作品「コンポニビリ」はメーカーのみならずプラスティックファニチャーを代表するアイテムの一つで、今現在も最新の化学とデザインの力を融合する事で新しい可能性を世界に提示し続けています。
軽く、様々な形に成形が可能で、着色が容易に行えるプラスティックは様々なデザイナーの感性を刺激します。カルテルはそんなデザイナーにプロダクトの協同を持ちかける事で、美しく、新しいプラスティックファニチャーの世界を拡大しています。
今回のデザイナーはアントニオ・チッテリオ。1950年、イタリアはロンバルディア州にあるメーダに生を受けた建築家・プロダクトデザイナーです。
家具職人の父を持つチッテリオ氏は早くからその才覚を磨き始め、カルテルと同じくイタリアを代表するフロス社やビーアンドビー社との協同を皮切りにローマ地下鉄やブルガリのホテルなどの設計にも携わり多大な業績を残しています。
コンパッソ・ドーロは2回の受賞、イギリスからは王室工業デザイナーの称号の授与。そして後進の教育にも積極的な、現代モダンデザインの権威と言って差し支えない巨匠の一人です。
そんな氏がデザインしたのはMoMAのコレクションともなった人気のアイテム、モビル。
直線が基調となった端正なフォルム。悪目立ちすることのないデスクワゴン。しかし何かが他とは違うような印象を与えてくれます。
その印象の元になっているのは、ひとつにスタイリッシュなキャスター。
繊細さを感じさせるぐらいの細いフレームの先にホイールが付いています。
お気づきでしょうか。このホイールがダイレクトに見えている事に。
通常であればカバーを付けたり両側から支持する金具が見えるホイールを、片側で支える機構にデザインする事でより無駄の無い、洗練された形を楽しむ事が出来ます。
他にも直方体の構造を支える要である筋交い(すじかい)は最下段に。
快適な使い心地に欠かせないスライドレールの金具も左右からの取り付けに。
プラスティックが持つ軽量さと、自由な成形が可能にした造形は、誰もが頷く美しさを導き出しています。
本体の素材名称はアイス(ICE)。フロスト加工のように半透明になったプラスティックは一般のイメージと違ってサラサラとした触りここち。
ドライでありながら、どこかひんやりとした存在感はまるで動く氷塊(ひょうかい)。
氏がどこまでも素材で遊びつくした事が感じられます。
注意してみなければ見過ごしてしまうような細かな気づきの積み重ね。
その絶妙な「ひとひねり」が感じられるアントニオ・チッテリオらしいデザイナーズ・アイテムです。
ちょっとお部屋の温度を下げてくれそうな、そんなクールなドロワーアイテム。
状態を考慮してお求めやすいお値段でのご提供です(定価:¥133,700-)。
気になる方は、どうぞこの機会をお見逃しなく。