Kartell
ERO S chair
こんにちは。用賀店のふくです。
前にもこの記事に書きましたが僕は透明なガラスアイテムに惹かれます。
光を当てる角度で表情が変わり、透過した光までもが特別なフィルターを通したような表情に変わってくれるのが面白くて好きなんです。
同じ考えの方がいるかはわかりませんが、今日はそんな透過を楽しませてくれる椅子のご紹介です。
是非、最後までご覧くださいませ。
意思と意味をもったデザイン
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こちらはイタリア"Kartell/カルテル"の『ERO S/エロ エス チェア』です。
デザインを手掛けたのはフィリップスタルク氏。
座面と背もたれが一体成型となったクリアカラーの大胆なシェルが最大の特徴。
スタルク氏と言えば、近年人気が高まっているポストモダンデザインのアイテムに注目が集まっておりますが、活躍は多岐にわたっており、建築・家具・インテリア・食器・出版物など数多くのプロダクトを手掛けております。
いつもその斬新な発想から見る者を楽しませてくれる彼のデザイン。
この椅子はどんな想いでこのデザインになったのでしょう。
花弁のようにも見えるシェルのシルエットはエーロ・サーリネンのチューリップチェアから影響を受けており、エロ エスという名がついたそう。
チューリップチェアよりもアウトラインを拡げる事で獲得したのは包容力。
包み込まれるような座り心地と美しい表情を持たせることが出来たのはスタルク氏の優れた感覚から。
エロ エスの発表は2001年となり、ミッドセンチュリー期の名作を現代の技術と素材を用いてアップデートしたのかもしれませんね。
さらにユニークなのはエッフェルベースが用いられていること。
これはイームズから着想を得たもの。
サーリネンとイームズの関係性を知っている方なら胸が熱くなりますね。(ご存じでない方は2人の合作でもあるオーガニックチェアを調べてみて下さい!)
恐らくではありますが、現代にも名を残すデザイナーと愛され続けるデザインへの答えがこのエロ エスなのでしょう。
スタルク氏がこの2人と同じ時代に生まれ活躍していたら、、、なんて事を想像してみるもの面白いです。
最後は実際に腰を掛けてみた感想を。
素材はポリカーボネイトと呼ばれるプラスチック製となり、見かけだと冷たくて硬い印象。
ですが肌への当たりは非常にソフト。
背中の中ほどから膝の裏までシートが吸い付くようにフィットしてくれますので、居心地はかなり良いかと思います。
この収まりの良さから体圧はしっかり分散されますので、長時間の使用も可能といった印象です。
以上になります。
無機質な素材から有機的なフォルムを生み出すデザイナーの優れた感覚。
意思と意味をもったデザイン。
使い心地も良く、光を浴びることで違った表情も楽しませてくれます。
普段使いが出来る特別な椅子としてお勧め致します。