karimoku60
Lobby Chair
日本が戦後、西洋のスタイルを取り入れ始めて間もない頃、座敷からソファスタイルに変化し始め、初めての自社製品として日本の住宅向けに開発され、今では誰しもが知っているカリモクのKチェア。
そして1968年に、より良い座り心地・重厚感を追求して生まれたのが今回ご紹介する"ロビーチェア"です。
こちらも言わずと知れた名作で、座り心地の改良を繰り返しながら、現在まで、一度も廃番になることなく作り続けられています。
愛され続けて半世紀
時代の流れに左右されることなく作り続けてきたアイテムと、当時生産されていたものを復刻し、再編集したのがカリモク60ブランドです。
美しいデザイン・そして弛まぬ試行錯誤と拘りによって愛され続けているのでしょう。
大手家具メーカーながら資材専門の会社を持ち、木を伐り出すところから始めているカリモク。
遡る事江戸時代、カリモクは材木屋の木工所だったそう。「すべてに目を配りたい」という物作りへの精神は創業時から現代に引き継がれています。量産でありながらもどこか感じさせる温度がこのチェアを確固たるものにしています。
魅力はサイズ感と座り心地。
コンパクトなサイズでありながら、アームや背もたれを薄く仕上げることで、しっかりと座面スペースが確保されています。
この絶妙なサイズ感がどのような環境にも馴染み、幅広く愛用される理由のひとつとなりました。
木枠に張られた反発性と耐久性の高いSバネとその上の厚いモールドウレタンの置きクッション。
このダブルクッション構造がもちっとした柔らかい座り心地に。
座面の傾斜は105度とそれほど大きくはありません。これにより下半身の負担を減らし、長時間の着座にも対応してくれます。
カラーは独特な艶を持つカリモク60のためだけに製造された定番カラー スタンダードブラック。
シートや背もたれはボタンで絞り凹凸を出すことで、立体的な表情に。
Kチェアとは異なり、ステッチがダイヤ柄で施されています。
多くの人の心を鷲掴みにし暮らしを豊かにしてくれる、どこかレトロでノスタルジックな雰囲気を持つ佇まいです。
同じ形を改良し続けながら長く使ってもらうという発想が、結果的にロングライフデザインを実現しました。
量産品ながらもこれだけのクオリティの家具を生産し続けるのはカリモクにしか出来ない業だと思います。
時代に流されず、甘んじずに追求し続けた故に長く愛され続けている逸品です。