Cappellini
Chair desined by Tom Dixion
時間を費やして調べに調べても、ここまで情報が出ないとは。
分かっているのは、刻印されている「Cappellini」のアイテムであることと、デザインを手掛けたのが以前に“ 現代の錬金術師 ”とブログで紹介したTom Dixion(トム・ディクソン)であるということだけ。 それほどまでに希少なアイテムというわけです。
直線+曲線=リズミカル
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“ 正体不明のアイテム ”とはこちらのユニークなフォルムの鮮やかなパープルのチェア。希少、なのに2脚も同時に入荷してきてくれました。
最初にお伝えした情報のひとつである刻印「Cappellini progetto oggetto」は、チェアの底面に刻まれています。
Cappellini(カッペリーニ)は、1946年に創立されたイタリアのインテリアブランド。
イタリアといえば、王道のモダンデザインとメンフィスに代表されるポストモダンの個性派デザインが特徴的ですが、同社はちょうどその2つを足して2で割ったようなイメージ(個人的な意見です)。
1979年に、デザイナー兼CEOであるGiulio Cappellini(ジュリオ・カッペリーニ)が率いてから、前衛的な作品が増えました。
代表的なデザイナーには、Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)やMarc Newson(マーク・ニューソン)、日本人では倉俣史朗(くらまたしろう)やnendoなど著名な面々が名を連ねています。
ちなみに、刻印にあった「progetto oggetto」はこの椅子のプロダクト名ではなく、カッペリーニのコレクション名。“ 家で毎日使うためのちょっとだけ必要でそんなに必要じゃないもの ”をコンセプトにしたちょっと変わったコレクションです。
チェアの名前は不明のままですが、照明のイメージが強いTom Dixion(トム・ディクソン)もまたカッペリーニの家具デザイナーのひとり。“ 錬金術師がつくる家具 ”というだけでも、なぜか興味がそそられます。
円錐を逆さにして、中をくりぬいたようなフォルム。横から見るとその単純明快なシルエットに、潔さすら感じてしまうくらいです。
それでも曲線と直線が入り混じり、どこか複雑にも感じる不思議。見る角度によって異なる風貌が楽しくて、撮影と称して何度も回転させてしまいました。
それから、調べているうちに分かったこと。このチェアは、1990年代はじめに「Leeds School Of Dance / リーズ・ダンススクール」に依頼されて製作された椅子だということ。
とはいえ、この情報が確かかどうか断言はできないのですが、その椅子の背もたれと座面にはクッションが装着されていました。
なので、この座面のくぼみはデザイン性ではなく機能性のために作られているのかもしれません。
でも、クッションがなくても問題なく(どころか、意外にも快適に!)着座頂けますのでご安心くださいませ。お好みのクッションを合わせてみるのもお勧めです。
さらに屋外にも強い素材なので、お庭やベランダに置くのも◎。鮮やかなパープルが、お部屋の中でも外でもよいアクセントになってくれそうです。
さすがはダンススクールに向けて作られただけあって、インスピレーションに刺激を与えるようなデザインだなと思うのです。
ポップなカラーリングもあいまって、感じるのはポストモダン。そして、直線と曲線が合わさって、織りなされるのはリズム。
少しばかり正体が分からなくても、どうにも惹かれてしまうわけです。
カッペリーニ progetto oggetto パープル A
カッペリーニ progetto oggetto パープル B