Cassina
LC3 armchair
バウハウスを源流に、合理主義・機能主義を追求するモダニズム。グラフィック・プロダクト・建築 etc.今日の様々な表現領域はその影響の下にあるといっても過言ではないでしょう。
しかしながら時代が下るにつれ,モダニズムの表層的な模倣に留まっているもの(つまり、ただシンプルなだけ)が増えているのも事実です。そんな中で、当時のマスターピースとも呼べる家具を復刻・継承する国内外のメーカーには畏敬の念を禁じ得ません。
モダニズム建築の思想を端的に言い表した「形態は機能に従う」を体感させてくれる一台のご紹介です。
似て非なる兄弟分
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イタリアの高級家具ブランドとして名高い"Cassina カッシーナ"。その長い歴史の中で培われてきた技術力と個性豊かなスタイルでイタリアンモダン家具をリードしています。その傍らで、かつての名作を"I Maestri Collection イ・マエストリ・コレクション"として復刻させ、巨匠達が作りだした家具の傑作の数々を現代に甦らせています。
そんなカッシーナのイ・マエストリ・コレクションよりLCシリーズ"LC3"1人掛けソファです。
最小の構成で最大の快適性を実現することを目的としてデザインされたソファ”LC2”。グランコンフォールとも呼ばれ、モダンデザイン家具の代表的な存在です。LC3はその派生モデルとして誕生した、いわば弟分的存在。
デザインは近代建築の巨匠、モダニズム建築の成立に貢献した建築家として知られるル・コルビジェとその従兄弟の建築家・デザイナーであるピエール・ジャンヌレとシャルロット・ぺリアンの3人によるもの。
モダニズム建築の思想に基づいたコルビジェらしいLC2のルックスはそのままに、それと比べて奥行と幅が広く、座面高が低く設計されています。
会議や会合などビジネスの場面にも引き合いのある、ややシャキっとする着座感のLC2と比べ、その広めな座面とシングルクッションはリラックスしやすいゆったりとした座り心地です。
端整な佇まいながら、家でダラダラ過ごすことを許してくれそうな"甘やかし系"のキャラクター性を感じさせます。
全体の高さも僅かに低くなっているため、天高の低い日本の住環境でも圧迫感なくお使い頂けます。やや平べったい量感はロビーや待合室等の広い空間にも静かに映えてくれそうです。
外観や構成がほとんど同じに見えるにも関わらず”LC3”と個別にナンバリングを与えられていることからも、メーカーがこのソファに求める役割がLC2のそれとは違うということが伺えます。
最小の構成で最大の快適性を求めるということは、少しの違いが快適性の性質に大きな差を生むという事。ややビジネスな場面に寄ったLC2とリラックス・ラグジュアリーな方を向いたLC3。
形態は機能に従う。LC3はモダニズム建築の思想の一端を体現しているとも言えるのかもしれません。
フレームに刻まれたコルビジェのサインは著作権継承者が正式に使用許可を与えたという証拠。
リプロダクトや復刻は数多くあれど、「本物」であることがカッシーナの最大の魅力と言えます。
本物の名品を、本物のモダニズム思想を、ご自宅にいかがでしょうか。