Cassina
HAL2
本日は、極細のフレームの溶接技術と、半円のエキスパンドメタルが織りなすポストモダンの構造美" カッシーナ / Cassina "『 ビンテージ ハル2 HAL2 チェア 』のご紹介♪
鉄網のリリシズム


1987年、東京・新宿の洋菓子店「コロンパン」の空間設計から生まれた一脚。倉俣史朗が愛娘「晴子」の名を授けた名作です。
倉俣の哲学は、重力や機能という制約から人間を解放し、夢や記憶の気配をデザインすること。彼はガラスやアクリル、鉄網など「光を透かす素材」を偏愛し、物質の重さを消し去る挑戦を続けました。


すべてが鉄網のオブジェのような椅子『 How High The Moon 』に対し、「HAL2」は人が集い、お茶を愉しむ日常のために作られた椅子。尖った前衛性を保ちながらも、私たちの暮らしに寄り添う体温と叙情が宿っているようです。
それは、美術館に飾られるためだけのアートピースではなく、人々が実際に会話を交わす空間のために作られた「触れられる芸術」です。


フェンスに使われる工業用金網という見慣れた日常を、高級家具の主役へと鮮やかに反転させた造形トリックにより、鉄網という尖った個性でありながら、現代のインテリアにもスッと溶け込む包容力があります。
細いスチール線のフレームと、アールを描く半円のメッシュ。無骨なはずの鉄網は、緻密な職人技によってまるで極薄のレース生地のように軽やかで、空間に消え入りそうな儚い輪郭を描いています。


椅子そのものではなく、そこにある「空気の揺らぎ(気配)」そのものを美しくデザインしたもの。差し込む光は網目で細かく砕かれ、床や壁に美しい陰影のさざなみを落とします。
愛娘の名前を冠したこの椅子には、硬質なのに柔らかく、冷たいのにどこか甘い。鉄網というミニマルな素材の中に、ひとひらの詩情を閉じ込めた、世界でいちばん優しい矛盾を孕むアートピースです。


重さを消した 透ける背中
無骨な網の 甘い矛盾































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