Cassina
699 SUPERLEGGERA
TOKYO RECYCLE imptionに入ってから、本当にいろんな椅子を見てきましたが、その中でもこれは間違いなく「シンプルイズベスト」のひとつの完成形だと思っています。
派手さはないのに、なぜか目を引く。気づけば何度も見返してしまう、そんな不思議なオーラがのあるような一脚をご紹介します。
削ぎ落とされた先にある完成形

今回ご紹介するのは、「イタリア建築・デザインの父」と称されるジオ・ポンティが手がけた1957年の名作699 SUPERLEGGERA スーパーレジェーラ。
カッシーナが初めて外部デザイナーに依頼して生まれたプロダクトとしても知られています。


この椅子、実は1952年から開発がスタートし、完成までに約5年という長い時間がかけられています。
無駄を徹底的に削ぎ落とした結果たどり着いたのが、幅わずか18mmの三角形フレーム。

そして総重量は約1700g。“超軽量”という名前の通り、当時は「女性が小指一本で持ち上げられる」という広告が話題になったほどです。
さらにコンパッソ・ドーロ賞を受賞するなど、デザイン史においても確かな評価を得ています。


フレームには、硬くしなやかで衝撃にも強いアッシュ材を使用。細く繊細な見た目とは裏腹に、日常使いにしっかり耐える強度を備えています。

座面の籐はすべて手編みで仕上げられており、ひとつひとつに職人の仕事が感じられるのも魅力のひとつ。
軽さ・強さ・美しさ、そのバランスが驚くほど高い次元でまとまっています。


そして何より、この椅子の凄さは“佇まい”ではないでしょうか。
空間に置いたときの軽やかさ、周囲に生まれる余白、空気感まで含めてデザインされているように感じます。
主張しすぎないのに、確実に空間の質を引き上げてくれる存在です。

正直なところ、まだ自分がこの椅子に手を出すには少し勇気がいります。ただ、いつか自然とこの椅子が似合うような暮らしや空間に辿り着きたい。
そう思わせてくれる時点で、もう十分すごいプロダクトだなぁとつくづく思います。
長く使うほどに、その良さがじわじわと染みてくる。そんな一脚です。











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