Cassina
414 + 412 CAB
本日は、空間を静謐さで満たす引き算の結晶" カッシーナ Cassina "『 キャブ CAB シリーズ 』のご紹介♪
線形のメンブレン


建築家マリオ・ベリーニのデザイン哲学。その根底にあるのは、「人間の無意識にある椅子の原形」の探究。奇をてらった新しさを追うのではなく、人々が本能的に思い描く最もベーシックなカタチを、最新の技術と手仕事で再解釈する。工業製品としての合理性と、五感に訴える官能性を高次元で調和させることこそが、彼の生涯の流儀でした。


「極限のミニマリズム」と呼ぶにふさわしい名作。椅子に「服」を着せることで、逆にその骨格の美しさを際立たせました。内部の肉厚なクッションを排し、最高級のサドルレザーを縫合し、ジッパーで閉じ込める。衣類そのものが椅子の強度となり、薄く美しい境界線として自立しています。
圧倒的な「薄さ」という事実。それだけで、この椅子は多くを語る必要がなくなりました。端正な「線のクオリティ」だけで勝負を挑んだこの意匠は、現代の空間において、今なお最も知的な対話を求めてくる存在です。


それは家具というよりも、骨と皮だけで自立する一種の「生命体」に近い。従来のクッションチェアとは一線を画す冷徹な薄さ。緻密な縫合とジッパーによってフレームに吸い付いた植物鞣しの頑丈な原皮は、ただの張地ではなく、椅子の形状を維持する強靭な装甲として機能しています。
ふっくらとした柔らかさではなく、張り詰めた力で身体を迎え入れる。端正なシルエットは、空間に置かれた瞬間、そこにある空気をピンと凍りつかせるような、気高き沈黙を守り続けています。


この薄さの裏には、家具職人がディティールに注いだ異常なまでの「手仕事の執念」が隠されています。ボリュームという誤魔化しが効かないからこそ、ステッチ一針一針が美しい線形となり、椅子の輪郭をシャープに引き締めています。
光が差し込むとき、1ミリの無駄もない厚革の膜は、床の上に信じられないほど鋭利で深い影を落とします。多くを語る装飾をすべて削ぎ取ったからこそ生まれる、その圧倒的な陰影の美しさは、インテリアの空気を一瞬にして建築的な静謐さへと調律します。

衣服を閉じ 魂を宿す
静寂を敷き 建築を語る































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