Cassina
414 CAB
良い服を着ると、自然とテンションが上がる。
外から見ても、どこか格好よく、あるいは可愛く見えたりして、佇まいそのものに魅力が宿る。
家具もきっと同じ。
良い家具を置くことで気分が上がる、という意味ももちろんありますが、今回はもう少し違う角度からの話です。
家具そのものが「衣を纏っている」という魅力ついて。
何を言っているんでしょうね。
ですが、本日入荷したこの一脚を見ていただければ、自分が何を言いたいのか、きっと伝わるはずです。そんな傑作をご紹介します。
衣を纏った一脚

イタリアンモダンデザインを語るうえで欠かせない存在、"カッシーナ/Cassina"。
18世紀に木工房として始まり、職人技を大切にしながらも、時代とともに工業化と革新的なデザインを取り入れてきました。
多くの名作を世に送り出し、現在でも色褪せることなく評価され続けているブランド。
今回ご紹介する椅子も、そんな同ブランドの思想を体現した一脚です。

デザインを手がけたのはマリオ・ベリーニ。
構造の美しさと、人の身体への深い理解を併せ持つデザイナーです。
座面はゆったりとしたサイズ感で、腰を下ろすと身体を包み込むような安心感。
アームの高さやカーブも絶妙で、自然と腕を預けたくなります。
背もたれは、寄りかかるとわずかにしなる構造。
無理のない姿勢を保てるため、長時間座っても疲れにくい。
デザインだけでなく、道具としての完成度の高さも際立っています。


この椅子最大の特徴は、革の扱い方。
一般的な張り込みではなく、服のように仕立てた革をフレームに着せる構造になっています。
内部にはスチールフレームが通され、その上から厚革を被せ、最後にジッパーで締め上げる。
この工程によって、あのタイトで美しいシルエットが生まれます。
縫製やジッパーまでもがデザインの一部。
まさに、椅子が革ジャンを着ているような感覚です。


使用されているのは、植物タンニンでなめされた上質な厚革。
しっかりとしたハリを持ちながら、使い込むほどに柔らかく、身体に馴染んでいきます。
革ジャンを「育てる」という表現がありますが、この椅子もまったく同じ。
日々座ることで表情が変わり、持ち主だけの座り心地へと成長していきます。
カッシーナ独自の厳しい基準をクリアした素材だからこそ、長く付き合える一脚です。

現在下北沢店では、"412 CAB CHAIR"もございます。
普段使いに便利なダイニングチェア仕様の一脚です

ブラックレザーは程よい存在感がありながら、ファブリック、木、金属、ガラスなど、異素材とも自然に調和します。
現在は生産終了となっており、当時の販売価格を考えても非常に希少な存在。それでもなお、時代を超えて魅力を放ち続ける理由が、この椅子には詰まっています。
良い家具は、空間の空気を変える。
そしてこの一脚は、「家具が衣を纏う」という感覚を、最もわかりやすく教えてくれる存在です。
何を言っているのか分からないと思った方も、この椅子を前にすれば、きっと少しだけ腑に落ちるはずです。































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