Cassina
302 ARGYLE CHAIR
前回のブログでも話題として少し出たレトロブーム、音楽だったりファッションだったり、グラフィックデザインやお店の内装も、レトロなものを多く見かけるようになった気がします。
個人的にレトロというと喫茶店が思い浮かぶのですが、最近昔ながらの純喫茶が注目されるようになってからどこの喫茶店も混んでいて、落ち着いてプライベートな時間を過ごせる場所では無くなってきてしまったな...と思うことがあります。
そこで本日は、自分だけの落ち着いた時間や、家族や友人と大切な時間を過ごす為の、デザイナーの心遣いを感じる名作チェアをご紹介致します。
落ち着いた時間を過ごす為に
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本日ご紹介させて頂くのは”Cassina カッシーナ”より「302 ARGYLE CHAIR」。
デザインを手掛けたのは、スコットランド・グラスゴー出身の建築家・デザイナー”チャールズ・レニー・マッキントッシュ Charles Rennie Mackintosh”。
アーツ&クラフツ運動の推進者であり、スコットランドにおけるアール・ヌーヴォーの提唱者の一人。
直線や幾何学模様で構成されるモチーフが特徴的で、後のアール・デコ、モダニズムの先駆けとも云われています。
グラスゴーにあるアーガイル通りのティールームの内装の依頼を受け、中央テーブル用にデザインされたことから”アーガイルチェア”と呼ばれています。
アーガイルチェアはマッキントッシュが最初に作ったハイバックチェアと言われており、後のラダーバックチェアやウィローチェアに繋がっていきます。
137cmある高い背もたれが特徴的で、装飾としてだけでなく、周りからの視線を遮り、外部のノイズを遮断してプライベートな空間をつくる役目がありました。
ティールーム発祥の地であるスコットランド、当時の人たちのお茶会は、他人に聞かれたくないような噂話や秘密の会話を楽しむ時間だったのかもしれません。
直線的なデザインの中にある、インパクトのある楕円形の笠木や、背板から真っ直ぐ伸びた先の脚部の曲線が印象的。
程良く柔らかい座面クッションは、長時間のお茶会もリラックスしていられる座り心地です。
気品と色気を併せ持ったような佇まいは、座るためだけではなく、眺めるためのものとしてのマッキントッシュの空間デザインへの意識を感じます。
ニューヨーク近代美術館 MoMAの永久コレクションにも選定されている名作チェア、現在 Cassinaでは生産終了となっており、中古市場での流通量も少ない逸品です。
発表から100年以上経った現在でも古さを感じさせず、むしろ現代生活の中で使っても、モダンで素敵な空間を創り出してくれそうなチェア、是非この機会にいかがでしょうか。