Cassina
713 Low table
300年の歴史を持ち、モダンファニチャーのリーディングブランドとして知られる"カッシーナ Cassina"。
洗練されたデザインとアーティスティックな造から、その製品の多くがMoMA(ニューヨーク近代美術館)パーマネントコレクションに選定されています。
こちらはそんな同社を代表するプロダクトの一つ「713 ローテーブル」です。
科学が生んだ唯一無二のデザイン
ガラスの天板に特徴的なスチールパイプを備えた一台。
複雑に絡み合う煌びやかなフレームは星座のようにも思えるデザインで、放射状の浮遊感ある構造は思わず見入ってしまいます。
また、一般的なテーブルと比べると細身のパイプをフレームとしているため、開放感のあるスタイルも嬉しいポイントです。
デザインを手掛けたのはアメリカの建築家であり、工業デザイナーでもある"テオドール・ワッデル Theodore Waddell"。
3つの大学で建築に加えて科学、経営学まで学んだ同氏はカッシーナのほか、1971年に同じくイタリアを代表する"ザノッタ Zanotta"からスティック状のランプを手掛け、そちらはニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されています。
そんな多彩な経歴を持つ同氏が手掛けた713 ローテーブル。
ワイヤーとスチールパイプを使った脚部は一見するとランダムな配置にも見えますが、真上からその構造を観察すると規則的な配置であることが分かります。
また、脚となるスチールパイプ同士は良く見ると互いにフレームとして結合されていないにもかかわらず、しっかりと自立しているという興味深い構造です。
これはアメリカの建築家"バックミンスター・フラー"が提唱した立体構造"テンセグリティ"に基づいたもので、フレーム同士をワイヤーでつなぐことにより生み出される張力で作り出される安定した三次元構造です。
その構造を応用したフレームによって複雑な放射状のシルエットと、浮遊感のある唯一無二のデザインを可能としています。
ガラス製の天板は直径約100cmと大きめで、ご自宅はもちろんオフィスのレセプションルームやロビーなどのインテリア空間でも活躍してくれるサイズ感です。
また、エッジ部分を斜めにカットしたベベル加工が施されるなど細やかなディティールもしっかりと作りこまれています。
同氏の科学に対する深い造詣が感じられ、一度見れば忘れることのないカッシーナの"713ローテーブル"。
洗練された独創的なデザインは幅広いスタイルのお部屋にマッチするモダンなアクセントとして、アーティスティックなインテリア空間を演出してくれます。
同社を代表するプロダクトでありながら、惜しまれつつ廃番となった一台をぜひこの機会に。