emeco
ICON CHAIR
こんにちは。用賀店のふくです。
今日は個人的に思い入れのあるデザイナーズチェアをご紹介させて頂きます。
デザインを手掛けたのは近代を代表するプロダクトデザイナー“Philippe Starck/フィリップ・スタルク氏”。
世界中で高い人気を誇り、彼の手掛けたアイテムはこの世の中に数多く存在しています。
imptionでもカルテルやドリアデ、フロスなど数多くのアイテムを取扱いさせて頂きましたが、今回のチェアは初めての取扱いとなり中古市場に出てくるのも非常に稀。
これは推測なのですが、その理由は手放す方が少ない為。
丈夫で使いやすく、デザインも美しい。
使い勝手の良さから生活に馴染み、なくてはならない存在となっているのでしょう。
そんな特別な椅子。
是非最後までご覧くださいませ。
ギャップを楽しむ
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この椅子は1944年に米国にて設立したemeco/エメコの『ICON CHAIR』
アメリカ家具やインダストリアルデザイン、軍物に詳しい方なら同社の名前は聞いたことはあると思います。
エメコ社の始まりはアメリカ海軍の潜水艦と船で使用するために丈夫で壊れない椅子をアルミニウム作ったことから。
その椅子は「Navy 1006」というのですが、誕生した背景もあり現在ではネイビーチェアという名で親しまれ、様々なメーカーからデザインを模倣したものが販売されています。
この椅子もネイビーチェアに似てはいますが、デザイン性の高さはこちらのICONに軍配が上がります。
ます、1番の特徴としては背もたれのデザイン。
スポークなどは無くフレームのみで形成され、穴の開いたようなシルエット。
座り心地を心配される方も居るかもしれませんが、緩やかな曲線の背もたれが身体に寄り添い、しっかりと支えてくれますので思っている以上に居心地は良いです。
そしてシート部に座繰りが施されていることもポイントで肌への当たりは非常にソフト。
無機質で冷たい印象の金属にここまでの温かさを込められたのはスタルク氏のなせるわざ。
シンプルで飾り気のない簡素なデザインだからこそ纏える美しさは素材を引き立て、見る者を魅了してやみません。
脚部はシンプルなラインで後ろ足はやや後方に向かって傾斜が付けられています。
荷重を後ろ側に逃がす事で安定感が増し、居心地の良さは更に加速。
脚先はクリアなプラパーツが採用されておりますので、床を傷つける心配もありません。
なんとなく感じていた独特の浮遊感は接地面をぼかすことにより生まれていたのですね。
最後に素材の話。
用いられたアルミニウム合金は軽量かつ強靭。
耐久性に優れていることは勿論、1脚あたりの重さは約2.7kgとかなり軽量です。
リサイクルにも適した素材ではありますが、堅牢で壊れにくい為、処分する際の事は考えなくても良いでしょう。
この点は冒頭にも書いたエメコ社の技術力の高さを感じさせるポイントでもあり、中古市場に出てこない理由なんだと思います。
ちなみにアイコンという名はスタルク氏が「目を閉じてチェアを想像する時、頭に浮かぶのはこのカタチ」と話したことから名付けられたそうです。
無垢の金属のような鈍い光を放つ特別な椅子。
アート作品の様に見えますが、意外と生活に寄り添ってくれるので欠かせない存在へとなってくれることでしょう。
凄く気に入ってしまい自宅に迎えたいのですが我慢しているのは秘密です。
大切にしてくれる方のお迎えを心よりお待ちしております。