G-PLAN
ASTRO side table
”北欧デザインのUKビンテージ”家具を多く手掛けてきた、エベネゼル・グーム 社のブランド G-PLAN。
チーク材をふんだんに使用した品格ある同ブランドの家具は、北欧本国さながらの圧倒的な存在感を放ちます。
ですがちょっと疑問に思ったことがあります。
なんで、クラシカルデザインで有名なイギリスが北欧デザインなのか、と。
今回はその点を踏まえジープランの歴史に迫っていきたいと思います。
読み解く価値
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時は遡り1940年代。
第二次世界大戦の真っ只中にいたイギリスは大きく疲弊し、家具市場のみならず国全体として衰退の一途を辿っていました。
6年に渡り日本ドイツイタリアの連合軍と激しく戦闘したイギリスは深刻な物資不足に陥りました。
その結果、政府からユーティリティスキームと呼ばれる規制が敷かれ、自由に色々なものが作れない状況だったそう。
そんな中、1950年代になると北欧家具が台頭し始め、イギリスの市場も奪われ始めます。
危機を感じたエベネゼル・グームの当時の責任者ドナルド・ゴム氏。
これまで続いていた英国の伝統的なデザインを一新させます。
大きな変革が必要だった状況下でゴム氏が下した結論。
それは、市場を席巻していた北欧デザインを自国に取り入れることでした。
より正確に北欧デザインを体現するため、本国、デンマークからデザイナーを招き入れることとなります。
その名は、デザイナー、イブ・コフォードラーセン。北欧のモダンデザイン第二の黄金期『デニッシュモダン』を築きあげた人物です。
時流に影響されることなく「木」本来の素材を大切にした家具造りは、今までの伝統的な家具デザインを昇華させました。
さらに、ゴム氏はもう一人の人物をこの北欧デザイン化計画のデザイナーとして選定します。
その名も、自国イギリスのビクター・ブラムウェル・ウィルキンス。ラーセン氏に肩を並べた(もしくはその業を受け継いだ)とされた、実力派デザイナーです。
この二人がエベネゼル・グーム 社の両輪となって、北欧デザインのG-PLANを誕生させた、とされています。
北欧デザインの力で英国家具市場を見事復活させたラーセンとウィルキンス 。
苦悩と研鑽の日々があったからこそ、優れたデザインを高い技術力と工夫で実現し、現在まで高い評価を得ているのです。
この二人の活躍なしに英国家具は語れません。
こちらのアストロ Astro もジープランでは人気を博すシリーズ。
纏まりあるサイス感のサイドテーブルは活用するシーンの幅を広げてくれます。
手掛けたのはビクター・ブラムウェル・ウィルキンス Victor Bramwell Wilkins 。
どこかスペースエイジさを感じさせるユニークな脚部が魅力的です。
希少なチーク材をふんだんに用いた北欧スタイルがたまりません。
特徴的な脚部もさることながら、天板角などのディティールも滑らかに削られており、温かみと優美さを感じて頂けます。
厳しい時代を切り開き、逆境を跳ね除けたジープラン。
確かな品質と技術力の高さは苦難を乗り越えたからこそのものでした。
歴史から学ぶからこそ、真の価値を理解でき愛着が湧く。
お探しの方はお早めに。