IDEE
MALUH Dining Table
日差しはほどほどに暖かいものの、風が強く油断ならない今日この頃。
今回は、ブランドのオリジナリティを感じさせながらも使いやすいテーブルをご紹介。
宜しければ是非最後までお付き合いくださいませ。
アンビバレンツ(無機と有機)
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いつもお洒落なお客様で溢れる自由が丘のフラッグシップショップは勿論、近年は同じ経営グループである無印良品でもアイテムを見かけるようになった人気ブランド、イデー | IDEE。
1975年の設立当初は西洋アンティークの輸入販売を行っていましたが、1985年には青山の骨董通りにIDEE SHOPをオープン。
その頃より独自性のあるプロダクトを多く世に出しており、流行が移り変わったのちでもそのアイコニックさは古びる事のない魅力として評価されています。
デザイナーとの協働も多く、イデーをきっかけにマーク・ニューソンや倉俣史朗、岡本太郎をお知りになった方も多いのではないでしょうか。
そんなイデーのアイテムの中でもその取り入れやすさから人気の高いマルー | MALUHシリーズ。
幅130センチのすっきりとしたダイニングテーブルです。
素材にはアッシュ材。タモとも呼ばれ、野球のバットにも使われる高い強度と独特の粘りを持ち合わせた家具材の一つ。
素直で豊かな木目はアントンブラウンカラー。
きつね色のような程良い色付きが温かみを感じさせてくれます。
先程イデーらしい独自性とお話しましたが、その特徴は"無機的なデザイン"にあります。
直線、曲線、そして連続性のある曲面。それらの組み合わせによってデザインされているプロダクトはイデーの中に多く、日常の生活感と切り離すようなパリッとした存在感を表しています。
今回のマルーもストレートな直線と、その内側に潜む曲線によってモダンな印象が作りげられています。
通常であれば4本脚であるテーブルは短辺同士の脚を一体にする事で、箱のような立方体の印象を強くします。
"4"つの脚が"2"つの面に変わり、要素はよりシンプルに。
一体化した脚の内側のみ曲線が描かれていますが、そのディティールが存在するのは人の意識が集中する立方体のカド。
シンプルな分、曲線と直線の対比が効果的に作用するようデザインされている事が分かります。
そうして造られた形がただ"無機"なだけであればホームユースにはあまり向きません。
しかし温もりがあり木目というテクスチャーがある木材と組み合わせる事で意外なほどにその守備範囲は広がります。
フレンチモダンを代表するリーンロゼの
エットリアーノ ダイニングチェア。空間を切取るモダンなフェルトシートが良い緊張感です。
羊毛発祥であるフェルトは天然素材の木材とも相性は良さそう。
そしてイタリアモダンのカリガリス ニューヨークチェア(こちらは売約済みとなります)。スチールロッドとレザークッションどちらもきっぱりとした形なので、モダンな表情が高まっています。
程良い濃さがテーブルにあるので、ブラウン×ブラックのミッドセンチュリーなテイストも楽しめますね。
ジャパンビンテージのダイニングチェア。シートファブリックは綺麗な青ですが、ポップな色合いも得意なイデーのアイテムは破綻なく受け入れていますね。
日本らしく丁寧に仕上げられたオーク無垢材のフレームデザインも良く、四角柱(テーブル)と円柱(チェア)の対比もまた面白いところです。
そして
UKビンテージのシールドバックチェア。意外にも悪くありません。
近しい色味、そして形で魅せるアイテム同士共通する要素があるのが良いのかもしれません。
最後はスイスのデザイナーズブランド、
ヴィトラのティプトンチェアと。綺麗な色のコントラストは落ち着きのあるダイニングテーブルでより上質に。最近は異なるテイストを自分流に昇華する事がもっぱら人気ですが、こんな組み合わせもありかもしれません。
無機なフォルムを、有機の素材で仕上げたからこそ使いやすさを得た1台。
デザインという行為の中にある様々な要素。ひも解いてきちんと再構築された事が分かる、イデーの素敵なプロダクトです。
新しい環境に向けてテーブルをお探しの方も多いタイミング。
もしも迷われているのなら、広がる可能性に寄り添うこんな1台はいかがでしょうか。