iittala
Birds by Toikka Sieppo
北欧・フィンランドが生み出した偉大なガラスデザイナーの1人としてし知られる“オイバ・トイッカ Oiva Toikka”。
想像力に富んだオイバ・トイッカのデザインは大胆でユーモラスな作品が多く、シンプルで機能性を求めたフィンランドデザインの主流からは外れているものが殆ど。
そんな素晴らしい作品群の中でも「バード・バイ・トイッカ Birds by Toikka」は、アーティストとしての際限ない想像力が生み出した名作と言えます。
「私は完璧さを求めるのではなく、楽しくありたい。」と言葉を残したオイバ、本日はそんなオイバが手掛けた可愛らしいバードのご紹介です。
不完全だって美しい

可愛らしいフォルムやガラスの美しい素材感、そして一体ずつ異なる表情が魅力的な「バード・バイ・トイッカ Birds by Toikka」。
そんなバードが初めて誕生したのは1972年のこと。ヌータヤルヴィ工場からイッタラ工場での生産に切り替わった現在に至るまで、オイバによるバード達は300種以上も製作されているそう。
カタチや大きさ、色や模様でそれぞれの鳥を独自のスタイルで表現しており、鳥それぞれに個性があるように、 マウスブロウによるふくらみの違いや気泡の入り具合は個性となり鳥たちに命を吹き込み、 絶妙に異なる顔立ちやフォルムはまさに自由に羽ばたく鳥そのもののようです。


今回ご紹介させていただくのは、同シリーズからフィンランド語で野鳥の「ヒタキ」を指す"シエッポ Sieppo"。
小柄でちょっとずんぐりむっくりのヒタキ。カラフルな羽や美しい歌声を持ち、頭を上げたり下げたりする動きなどする小さな鳥です。
そんなシエッポ、実は何百種類といるイッタラバードの始祖といえる子なのです。


1972年に初めて製作されてから長らく生産されていませんでしたが、メールオーダー用に製作されたのが2度目のシエッポ。生産期間は1995年から1996年までの1年間だけ。
3度目のシエッポ、オイバトイッカのバード本に掲載されているシエッポがこの時期のもの。
レッド×ライトブルー、ライトブルー×グリーン、グレイ×ブルー、ブラック×ラスターの4色木箱入で2003~2004年のこちらも1年間だけ販売されました。


4度目のシエッポは、2015年にスコープが別注した全15配色各1000個限定シリアルナンバー入りという壮大な大群です。
初期シエッポを目指し、フォルムは初期のニュアンスに近く、裏面もわざわざ研磨処理しており、サインには《O.Toikka IITTALA 2015 SCOPE ***/1000》と手彫りされています。
そして5度目は2021年にイッタラから発売された5配色のシエッポ達。今回入荷したのはこちらの時期のものです。
スコープ別注とものと同じラインですが多少の違いはあります。まず裏面の研磨処理はされていません。またサインはレーザーで《O.Toikka IITTALA》、位置も裏面ではなく、お尻の下ギリギリ辺りに移動しています。


今回入荷したレイン×レッド カラーは、2024年末に惜しくも生産終了となってしまったカラー。
深くくすんだブルーのクリアガラスの体に、ちょこんと可愛らしいレッドカラーのくちばし。光が当たると透けて見えるボディカラーの濃淡がより美しさを引き立てます。
心落ち着くカラーと愛らしいフォルムは、静かで澄んだ空気が漂う北欧の湖畔で過ごす平穏な世界を彷彿とさせます。

オイバ・トイッカが生み出すデザインは勿論、そのデザインやイメージを具現化できるイッタラの技術もまた素晴らしいと感心させられるもの。
昨今は地震などもあり、こういったガラスオブジェを敬遠されている方もいると思いますが、壊れてしまうかもしれないと思うガラスの儚さもガラスアートの魅力の一つと言っても良い気がします。
300種以上もあるとコレクターの方は集め甲斐があるのではないでしょうか、お家にこの可愛らしい鳥たちがいっぱいいる風景は是非見てみたいものです。

不完全を許容できるオイバ・トイッカの才能、それぞれのバードにそれぞれの命が与えられているという事が良く分かります。
純粋な楽しさが宿ったバードは、使う人眺める人を元気にしてくれる素敵なものばかり、世界中のコレクターが虜になる理由もよく理解できます。
その美しい佇まいを是非ご自宅で堪能してみてはいかがでしょうか。











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